(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)が10日に開く政策委員会では、新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)からユーロ圏各国が抜け出す中で、夏にかけ金融政策の刺激がどの程度必要か判断が行われる。

  コロナワクチンの接種加速と感染減少が飲食・小売店の再開を促し、景気回復を後押しする一方、物価も上昇しつつあり、インフレ抑制に向けECBが行動を起こすべき時期がいつかも焦点になる。

  ECBは国債利回りを反映する借り入れコストを抑制するため、4−6月(第2四半期)に「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」(総額1兆8500億ユーロ=約247兆円)の資産買い入れペースを年初の週140億ユーロから約200億ユーロに加速させた。今回の政策委で今後数カ月の購入ペースが決まる。

ECB、PEPPの段階的終了を議論していない−ラガルド総裁

  さらに3カ月は現行ペースが続くとエコノミストの多くが予想。具体的な目標を政策委が公に設定する可能性は低いため、投資家は声明およびラガルド総裁の会見内容、経済成長およびインフレ最新予測の行間を読むことを強いられる。

  ECBはフランクフルト時間10日午後1時45分(日本時間同8時45分)に政策決定を発表し、その45分後からラガルド総裁がオンライン形式の記者会見に臨む。

  米景気回復がユーロ圏の債券利回りに波及する恐れが懸念された3月の政策委で、4−6月の資産買い入れペース加速の方針が決まり、前回政策委の声明にも「年初の数カ月を著しく上回るペース」という表現が盛り込まれたが、市場関係者はこのフレーズを注意深く探すことになりそうだ。

  エコノミストの多くは、7−9月(第3四半期)に資産購入が大幅に減るとはもはや考えていないと話す。ユーロ圏経済がそれに耐えられるとの見方をラガルド総裁や他の政策担当者が否定しているためだ。それでも夏季の流動性低下に伴い若干のペースダウンがあり得るが、それは問題視すべきようなことでないと総裁は説明する見通しだ。

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