(ブルームバーグ):

欧州中央銀行(ECB)は10日、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入を高いペースで続けると表明した。成長とインフレの予測を上方修正し、楽観的なリスク認識を示したものの、新型コロナウイルス流行に伴う経済危機からの回復を支える取り組みは続ける。 

  ラガルド総裁は政策発表後の記者会見で、市場金利の持続的な上昇が経済全体の調達環境のタイト化を招く可能性があるとし、そのようなタイト化は時期尚早であり回復へのリスクになると指摘。「年初の数カ月を著しく上回るペース」での購入を続ける理由を説明した。

  ECBは最新の経済予測で、今年と来年の成長およびインフレ予想を引き上げ、ユーロ圏経済へのリスクは現在、「おおむね均衡している」との認識を示した。このようなリスク認識は2018年12月以来。  

  見通し改善と慎重なアプローチの対照的な組み合わせは、当局者間の妥協を示唆している可能性がある。総裁は、債券購入のペースを巡り「幾つかの異なる意見があった」と認めた。

  緊急プログラム終了の時期については、PEPP終了の議論は「そのうち」始まるが、現時点では尚早だと述べた。PEPPの購入は2022年3月末まで継続される予定だ。

  ユーロ圏経済はワクチン接種進展とロックダウン(都市封鎖)緩和で回復の見通しが立った。今回のECBの決定は、それでも景気支援の手を緩めないとの決意を示す。

  総裁は「ユーロ圏の経済生産は目先、パンデミックの行方と再開後の経済がどう反応するかに左右されるため、不確実性は引き続き高い」と述べた。インフレ予想上方修正にもかかわらず、ユーロ圏経済における物価上昇圧力は「依然として弱い」との認識も示した。

  ECBは1兆8500億ユーロ(約247兆円)規模のPEPPの購入ペースを3月に週140億ユーロから約190億ユーロに引き上げ、このペースをそれ以来維持している。大半のエコノミストは9月まで減速はないとみている。

  PEPPのほか、ECBは政策金利を据え置くとともに市中銀行向けの長期貸し付け「条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)」と従来からの資産購入プログラム(APP)の現状を維持した。

ECB Piles on Stimulus Even With Most Upbeat Risk View Since 2018(抜粋)

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