(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)が10日開いた政策委員会会合では、金融市場の流動性が細る夏季の債券購入規模について意見が分かれた。協議内容を知る複数の当局者が明らかにした。

  この当局者によると、政策委員の数人はユーロ圏のインフレに上振れリスクがあるとの見方も会合で提起した。会合は非公開だとして当局者は匿名を条件に語った。

  今回の会合で、ECB政策委員会は経済見通しを大幅に上方修正する一方で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入を「年初の数カ月を著しく上回るペース」で続けると決定。ラガルド総裁は記者会見で、意見の相違があったと認めていた。

ECB、緊急購入の高ぺース維持−リスク認識は2018年以来の明るさ

“There was debate on the pace of purchase, on some of the analytical aspects on the use of our instruments. So I use the words broadly agreed. There was here and there a couple of diverging views and not unanimous consent across the board.”

  流動性を巡る議論に結論は出なかったという。市場の取引が減るならECBはより少額で好ましい金融環境を保つことができるため、結果として7−9月(第3四半期)の購入額は前四半期に比べて少なくなると一部の委員は主張。これに対し、現在の購入ペースの維持を重視する委員らは、7月と9月に購入を増やして8月の落ち込みを補うべきだと論じた。

  全体の取引が減る市場で圧倒的な存在となることを避けるため、ECBは8月の債券購入を鈍化させる慣例がある。

  

  インフレに関する議論では、見通しに対するリスクは上振れ方向と考えることもできるのではないかと数人の委員が疑問を提起。こうした委員らは、ユーロ圏の力強い景気回復やインフレ率が上昇している米国からの波及効果を一因に挙げたという。

  ラガルド総裁は記者会見で、インフレ率の上昇は一時的で、基調的な物価上昇圧力は依然弱いとの認識を示した。

  ECB報道官はコメントを控えた。

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