(ブルームバーグ): 中国は夫婦1組に認める子供の数を2人から3人に緩和する方針を最近発表したが、年間出生数減少という長期トレンドは阻止できないとの見方を北京大学国家発展研究院の姚洋院長が示した。

  姚氏はインタビューで、「出生率を大幅に引き上げることはできないと思う」と述べ、子供3人まで容認する政策は短期的な出生数増加にはつながり得るが、「長期にわたる効果の継続は期待できない」と指摘。「高齢化社会に備えた方がいい。それが東アジア社会の運命だ」と語った。姚氏は昨年、習近平国家主席らと意見を交わしたエコノミストグループの一員。

  姚氏は人口高齢化にもかかわらず、中国は生産性の向上で今後10年間は5.5−6%の潜在力に近い経済成長率を維持できると予想し、都市化と教育、研究への高水準の投資を継続すべきだと主張。「投資が中国の成長の推進力にはならないだろうと言う人もいるが、私は同意しない。中国にはまだ資本が必要だ」と話した。

  労働力の減少を遅らせるため、政府は定年を徐々に引き上げる計画も公表しているが、「社会的抵抗」があり大幅な引き上げは難しいと姚氏は分析。今後5年にわたって1年につき平均6カ月ずつ定年を延長し、2025年までに定年を2年半引き上げることを「現実的」な選択肢として挙げた。中国の現在の定年は女性が50−55歳、男性は60歳。

  人口高齢化の影響については、 「高齢化社会とはインフレではなくデフレを意味する。日本のように金利はゼロに向かって下がる傾向となるだろう」と分析。産児制限は今後10年で完全撤廃されるかもしれないと述べ、「個人的には中国は産児制限の政策を廃止すべきだと思う。今後5−10年でそうなる可能性がある」との認識を示した。

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