(ブルームバーグ): 米連邦準備制度の突然のタカ派姿勢傾斜を受け、7月に重要な政治イベントを控える中国が国内金融市場の安定を維持できるかが試されている。

  中国の政策当局は金融環境の引き締まりが最終的に始まれば、流動性を原動力とする海外のバブルは弾けるのではないかとの懸念を繰り返し示してきた。国内ではすでに商品市場を中心に強気なポジションを取る投機に対して中国当局が介入した。

中国、海外金融市場や国内不動産バブルを「懸念」−銀保監会主席

  本来ならこうしたリスクを防止する米金融当局の動きは歓迎できるはずだが、共産党創建100年という重要な節目を直前に控え、何より安定を重視する中国にとってはタイミングが悪い。

  連邦準備制度のタカ派傾斜に伴う市場のボラティリティーの高まりが中国に波及し、7月1日の祝賀式典に影を落とす恐れがある。来年の共産党大会で3期目を目指すと見込まれる習近平総書記(国家主席)は式典で演説を行い、勲章を授与する予定だ。

  これまでのところ、中国は市場の平静を保つことができているようだ。今週に入り日本や米国、英国の株価指数の変動は大きくなっているが、CSI300指数は安定している。12兆ドル(約1330兆円)規模の中国株式市場ではボラティリティーが引き続き低く、同指数は200日移動平均近くで推移している。

  資産運用会社グローバルCIOオフィスのゲーリー・ドゥーガン最高経営責任者(CEO、シンガポール在勤)は「共産党の記念日に向かう中で中国市場のボラティリティーが特に高まるとは予想してない」と話す。

  シティグループのエコノミストチームによれば、今年後半は市場の安定に対するリスクが強まる可能性がある。中国の与信引き締め措置による経済への影響が一段と顕在化する一方、世界的な生産の持ち直しで中国の輸出が圧迫される恐れもあると見込んでいる。

  シティの余向栄氏らエコノミストは先週のリポートで、「7月の共産党創建100年式典後の全般的なマクロ環境はリスク資産にとって良好になりにくいとみられる」と分析。「政策引き締めがより鮮明になる可能性があるとわれわれは考えている」とも指摘した。

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