(ブルームバーグ):

東京都の小池百合子知事は28日、新型コロナウイルスの感染者数が過去最多となったことを巡り、ワクチン接種が進むことで重症者数が減少しており、「陽性者数の問題だけではない。これまで通りとは違う」との認識を示した。

  小池知事は、ワクチンを受けた高齢者の感染や重症になる割合が低下する一方、受けていない若い世代の重症・中等症化が増えていると指摘。ワクチン前後の状況について「紀元前と紀元後」と表現した。

  東京都では27日、新たに2848人(前日1429人)の感染を確認。第3波のピークに当たる1月7日の2520人を上回り、過去最多を更新した。来月22日までの期限で4回目の緊急事態宣言が発令されているが、感染者数は急増している。

  年代別の感染者数は20代が951人で最も多く、20−30代で全体の55%を占めた。一方でワクチン接種が進む60代以上は5%にとどまっている。重症者数は82人(前日78人)で、160人に達した第3波と比べると低水準で推移している。

  西村康稔経済再生担当相は28日の衆院内閣委員会で、22日からの4連休に実施できなかった検査をまとめて実施しているため、「感染者数の報告は今週、非常に増えるものと想定している」と述べた。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、都内では救急外来を断ることが増えているとして「医療のひっ迫が現実に起きている」との認識を示した。

  菅義偉首相は27日、感染拡大を受けて東京五輪を中止する選択肢はあるかとの記者団の問いに対し「人流も減っており、そこはない」と明言した。宣言下で開催中の五輪は大半の競技が無観客で行われている。

  神奈川、千葉、埼玉の3県も政府に明日にも緊急事態宣言発令を要請する。政府は要請があれば速やかに検討する方針を示している。

(西村再生相や尾身会長のコメントを追加しました)

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