(ブルームバーグ): ソニーグループは4日、今期(2022年3月期)の連結営業利益予想(従来9300億円)を9800億円に上方修正した。ブルームバーグが集計したアナリスト14人の予想平均9819億円をわずかに下回った。前期実績比では2.6%の増益となる。音楽やエレクトロニクス、映画分野での増益が貢献する。

  ストリーミングサービスの増収により音楽分野の営業益予想(従来1620億円)を1900億円に修正したほか、エレクトロニクス分野の営業益予想(同1480億円)もテレビやデジタルカメラの販売増などが寄与し1700億円に引き上げた。

  十時裕樹最高財務責任者(CFO)は決算会見で、東南アジア圏での新型コロナウイルスの感染再拡大により一部工場は操業を落としているほか、サプライチェーンへのリスクも認識していると言及。業績見通しには下半期以降の巣ごもり需要の一服感などのリスクも織り込んだとしている。

  同時に発表した4−6月期の連結営業利益は前年同期比26%増の2801億円と、ブルームバーグが集計したアナリスト6人の予想平均2261億円を上回った。同四半期の営業益としては2年ぶりに過去最高を更新した。エレクトロニクス分野の損益が大幅に改善したことが寄与した。

  同四半期のゲーム分野の利益は33%減の833億円だった。昨年11月に発売した家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」本体の価格設定が製造コストを下回っていたことなどが同分野の損益を悪化させた。

  半導体事業は、新型コロナウイルス禍から回復したデジタルカメラ向けイメージセンサーの販売増加などから16%の増益だった。モバイル向けセンサーは減収要因となった。十時CFOは中国メーカー各社による採用が進んでいると説明した。

  6月には損益分岐点に達するとの見込みを示していたPS5(スタンダード版)の収益性に関して、十時CFOは「予定通り進んでいる」と述べた。PS5の累計販売はすでに1000万台を超えており、今期はPS4の2年目の実績1480万台を上回る販売を目指している。

  十時CFOは世界的な半導体不足について、仕入れ先を増やして戦略的に在庫を積むなど「できるだけ生産、販売に支障を来さないよう今のところコントロールできている。ただし、今後については予断は許さない状況だ」と指摘した。

  半導体不足がPS5の生産に及ぼす影響については、「今年の販売台数の目標に見合うだけの半導体の確保に努めており、供給自体はさほど心配していない」と話した。

  SBI証券の和泉美治シニアアナリストは電話取材で、「これまでエンタメがハイライトされてきたが、4−6月期はエレクトロニクスのハードウエアもかなり頑張っていることが確認でき、ポジティブ」と評価した。

  和泉氏は半導体事業もスマホ向けの減速懸念が払拭(ふっしょく)されたと述べた。今期の営業利益が1兆円の大台に乗る可能性も示唆したが、「上振れの鍵を握るのはゲームになる」との認識を示した。

  同社は4月に社名をソニーグループに変更。テレビやカメラなどのエレクトロニクスをはじめ、半導体やゲーム、映画、音楽事業などを横断的に管理し、長期的に企業価値を高めていく方針だ。

(決算会見について追加し記事を更新します)

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