(ブルームバーグ): 任天堂が5日発表した4−6月期の連結営業利益は前年同期比17%減の1198億円と、ブルームバーグが集計したアナリスト7人の予想平均1309億円を下回った。巣ごもり需要によりゲーム販売が好調だった前年同期比で減収になったことや販管費の増加が影響したとしている。

  このほか、同社は発行済み株式総数の1.51%に相当する180万株、1000億円を上限に自己株式を取得する計画も発表。取得期間は6日から9月15日までとしている。取得した株式は9月16日に全て消却する予定。

  任天堂はスイッチ事業の想定を上回る好調により、過去数年で増加した手元資金について、効果的な投資や資金使途について継続して検討すると表明。今回はその一部を自己株式の取得に使うことにしたと説明した。

  家庭用ゲーム機「スイッチ」の今期(2022年3月期)の販売目標は本体が2550万台、ソフトが1億9000万本と従来の想定水準に据え置いた。今期の営業利益予想も前期比22%減の5000億円を維持した。

  発表によると、4−6月期の売上高は1000万本超の大ヒット作となった「あつまれどうぶつの森」が好調だった前年同期から反動減となった。新作タイトルの増加に伴い広告宣伝費が増え、販管費は9.4%増の731億円と売上高に占める割合は4ポイント増の23%となった。

  同四半期のスイッチ(廉価版のスイッチライトを含む)の販売台数は22%減の445万台。スイッチは新型コロナウイルスの影響による物流の遅れや半導体部材の需給逼迫(ひっぱく)による生産への影響があった中でも増加したが、ライトは減少した。ソフト販売は10%減の4529万本にとどまった。 

  利益率の高いデジタル売上⾼は25%減の759億円となり、ゲーム専⽤機向けのソフト売上⾼に占める⽐率は56%から47%に低下した。どうぶつの森のダウンロード版を中心に同比率の高まった前年同期からの反動も出た。

  主力のスイッチは発売5年目に入り、コロナ禍の巣ごもり需要で前期(21年3月期)の営業利益は6406億円と過去最高を記録した。10月には有機ELパネルを搭載した新型モデルを発売する予定で、ライフサイクルが長期化する中でいかに収益力を高めるかが課題となっている。

  米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、「もともと4−6月期は季節性で最も弱く、通常に戻っただけという印象だ」と述べた。自社株買いについては、業績が「市場の高すぎる期待には応えていないので、そこへの配慮もあったのではないか」と話した。

  一方、エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは、7月の市場データによるとスイッチとライトの売り上げが減少しており、7−9月期のスイッチ販売は4−6月期より悪化する可能性を指摘した。

  任天堂ではソフトのデジタル売上高や有料会員サービスの拡大に加え、人気キャラクターを活用した新規顧客の開拓に取り組んでいる。3月には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン内にスーパーマリオの世界を再現したテーマパークが開業した。

(決算の詳細やアナリストコメントを追加して記事を更新します)

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