(ブルームバーグ): ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は、同行の調査アナリストの言い回しについて独財務省と連邦金融監督庁(BaFin)に謝罪した。今月下旬の総選挙を前に、2つの最重要機関との緊張を避けたい思惑がある。

  アナリストのヤン・シルドバッハ氏は今週、金融センターとしてのドイツに必要な改革に関するリポートで、規制当局の「資質」と政府支援の「破綻した」年金制度を厳しく批判。事情に詳しい匿名の関係者によると、ゼービング氏は当局に対し、これはドイツ銀として共有している見方ではないと釈明した。

  ドイツ銀の速やかな謝罪は、時に緊張を伴うものだった当局との関係に対する気配りと、次期政権と良好な関係を速やかに築く必要性の裏返しだ。メルケル首相の後を継ぐ次期首相の最有力候補は社会民主党(SPD)のショルツ財務相。財務省はBafinを監督するほか、ドイツ銀アナリストが批判した規制の大半の策定に関わっている。

  Bafinの報道担当者とシルドバッハ氏はともにコメントを控えた。ドイツ銀の広報担当者は同行が当局と連絡を取ったかについてコメントせず、財務省からは今のところ応答がない。

  アナリストの発言でトップが謝罪を迫られたのはこれが初めてではない。2019年には「中国の豚」に言及したUBSグループのチーフエコノミストが一時休職に追い込まれた。10年にはJPモルガン・チェースのシニアエコノミストが米上院議員らは市場経済について無知を露呈したと発言し、同行が謝罪した。

Deutsche Bank’s CEO Says Sorry After Critical Analyst Report (1)(抜粋)

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