(ブルームバーグ): 中国の不動産開発大手、中国恒大集団は9月23日期限の人民元建て社債の利払いに関して説明したが、漠然とした表現にとどめたため、金融市場に新たな不確実性をもたらすことになった。アナリストらは推測を余儀なくされている。

  中国恒大の本土不動産部門、恒大地産集団は取引所への22日の届け出で、2025年償還債(表面利率5.8%)の利払いは「クリアリングハウス外での交渉を通じて解決された」と説明したが、支払いの具体的な時期や規模は示さなかった。

  この届け出によって、一部のアナリストの間では中国恒大が今回の動きをデフォルト(債務不履行)に分類する必要なく利払いを遅らせることで社債保有者と合意したのではないかとの観測が出ている。

  債券ファンド、深高投資の創業パートナー、李凱氏は中国企業は通常、本土債の利払いをクリアリングハウスを通じて行うと指摘。社債保有者に直接支払うよう取り決める場合は期限内に、あるいは全額を送金することができないことが理由であることが多いと解説した。

  李氏は「大抵の場合、これは利払い延期、分割払い、クーポンの減額を伴うことになる」とし、「これはディストレスト企業がデフォルトを回避する方法の1つだ」と述べた。

  中国恒大に利払いに関して電話でコメントを求めたが、返答はなかった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、25年償還債のクーポンは計2億3200万元(約39億円)。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのクレジットアナリスト、ダニエル・ファン氏は、「恒大は本土の保有者と何らかのスタンドスティル(猶予)に至った可能性がある」と指摘。「返済の繰り延べかそうした類いの措置に向けた交渉待ちで、行動を起こさないよう要請したのかもしれない」と語った。

  中国恒大は同社と取引のある債権者の主力銀行のうち少なくとも2行に対する20日期限の利払いをしなかったと関係者が明らかにした。

中国恒大、20日期限のローン利払い行わず−社債クーポン期日も迫る

  中国恒大のオフショア債発行残高は約192億ドル(約2兆1000億円)。同社は今月23日期限のドル建て社債の利払い(8350万ドル)を含めて今年末までに6億6900万ドル相当のクーポン支払いを控えている。

(市場関係者のコメントなどを追加し更新します)

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