(ブルームバーグ):

岸田文雄首相の派閥に所属する山本幸三衆院議員は、株式譲渡益や配当金など金融所得への課税について、現行の一律20%(所得税15%、住民税5%)から25%程度への引き上げが適当だとの考えを示した。

  7日のブルームバーグとのインタビューで、首相が掲げる金融所得課税の見直しは「格差是正の象徴だ」と説明。市場に悪影響が出ないよう「バランスが非常に大事だ」とした上で「これまでの実証研究では株式市場を害さない税率は25%だ」と指摘した。将来的には累進制も検討する必要があるとした。

  新型コロナウイルスへの対応で検討している経済対策の規模については「真水で30兆円以上」が必要だと述べた。

  成長と分配の好循環を経済政策の柱に掲げる岸田首相は、分配の選択肢として金融所得課税見直しを挙げている。政府は年末の2022年度税制改正で議論する。

  金融所得課税の見直しを巡っては、一定の収入を超えると税率が下がる「1億円の壁」が問題視されている。給与所得の場合、所得が多いほど税率が上がり、課税所得4000万円以上なら住民税も含めた税率が最高の55%となる一方、金融所得への課税は一律20%のため、金融所得の割合が相対的に高い富裕層に有利になる。

  山本氏は昨年11月、会長代行に岸田首相を据えた「ポストコロナの経済政策を考える議員連盟」を自民党内に立ち上げ、大規模な財政出動の必要性を議論した。金融緩和に積極的なリフレ派として知られ、野党時代に安倍晋三元首相と金融政策に関する勉強会を重ね、アベノミクスの原案作成に携わった。

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