(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」は、米国での変異株監視のため増強されたシステムにとって最初の本格的なテストとなる。新たな変異株の感染が急速に拡大し、ワクチンの効果がなく、より多くの感染者が死亡する危険性がある場合、このシステムが重要な防衛線となる。

  米国は現在、変異株が最初に世界的な関心事となった年初よりもはるかに多くのシーケンシング(解析)を実施している。公衆衛生研究所は週に最大2万件のウイルスの全ゲノム解析を実施しており、これは前年の4倍に相当すると、米公衆衛生研究所協会(APHL)の感染症担当ディレクター、ケリー・ウロブルースキ氏が指摘した。米疾病対策センター(CDC)を含む他のシーケンシングの取り組みも合わせると、米国はここ1週間だけで9万件余りの新型コロナサンプルのシーケンシングを行った。

  これまでのところ、オミクロン株は十数カ国で確認されている。バイデン大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長を含む米当局者は、オミクロン株は米国でも既に感染が広がっている可能性があるとの見解を示しているが、確認例はまだ報告されていない。

  新型コロナのサンプルの頻繁なシーケンシングは、南アフリカ共和国の科学者が迅速にオミクロン株を特定することに寄与した。監視があまり活発ではない国であればオミクロン株はずっと早い時期に気付かれずに感染が広がっていた可能性がある。米国は新型コロナ禍1年目に強力な全国規模のウイルス監視プログラムの確立で後れを取っていたが、バイデン政権はこの問題の解決支援に向け17億ドル(約1930億円)の新たな資金提供を約束した。

  それでも、米国の取り組みはなお他の一部の国に後れを取っている。研究者が新たなゲノムを共有する世界的ポータル、GISAIDのデータによると、ここ3カ月で米国は新型コロナ症例の約5.5%をシーケンシング・共有した。一方、英国は症例の14%近くをシーケンシング・共有している。

 

Omicron Undetected in U.S. So Far, Testing Biden Sequencing Plan(抜粋)

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