(ブルームバーグ): 米金融当局者の間では、インフレ率上昇を受け資産購入のテーパリング(段階的縮小)を加速すべきだとしたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の先の発言に同調する向きが増えている。

  今月退任するクオールズFRB理事は2日の講演後の質疑応答で、「テーパリング終了時期を想定されていた6月よりも前倒すことを委員会が決定するなら私は確実にそれを支持するだろう」と述べた。

  パウエル氏は今週の議会証言で、当局は当初の計画よりも数カ月早いテーパリング完了の是非を次回会合で検討するのが適切と述べ、新型コロナウイルスの新変異株は雇用とインフレの見通しに脅威となるものの、物価圧力上昇のリスクは明らかに高まっていると指摘していた。

  連邦公開市場委員会(FOMC)を2週間後に控える状況で議長が政策行動の可能性について明らかなシグナルを送るのは異例なことだが、米金融当局者も既に公に支持する構えを見せている。

  アトランタ連銀のボスティック総裁とサンフランシスコ連銀のデーリー総裁も2日、テーパリング加速は適切かもしれないとの認識をあらため示した。1日夜には、クリーブランド連銀のメスター総裁がブルームバーグテレビジョンとのインタビューで同様の姿勢を明らかにしていた。

  メスター総裁は来年1−3月(第1四半期)ないし4−6月(第2四半期)の早い時期でのテーパリング終了を支持する考えを示した。ボスティック総裁は1−3月期末より前にテーパリングを完了することが当局の利益にかなう可能性があるとし、来年にインフレ率高めの状態が予想より長く続けば、当局は利上げ開始時期を前倒す必要があるかもしれないと指摘した。

  ボスティック総裁は2022年末の米インフレ率が4%を超える可能性を示した経済協力開発機構(OECD)の予測に言及し、「そうした水準にあれば、利上げをもっと前倒しすることの論拠が強まるだろう」と指摘。現時点では来年1回の利上げを見込むが、多分これが増えることになるだろうと述べた。

  デーリー総裁はピーターソン国際経済研究所主催のバーチャルイベントで、テーパリングを予想より早め、当局による追加緩和策を一部抑え始める必要があるかもしれないとの考えを示した。

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