(ブルームバーグ):

利益をまだ上げていない成長企業や新規株式公開(IPO)銘柄、特別買収目的会社(SPAC)は容赦のない売り浴びせで時価総額が大きく減少したが、ここにきて仮想通貨ビットコインもその波に飲み込まれた。小口のトレーダーの間でリスク許容度や口座残高がさらに圧迫されている。

  小口の押し目買い投資家は混乱の中でも動じず2021年のS&P500種株価指数の21%上昇に貢献してきたが、市場の投機的な部分で損失が積み上がり今年最悪の痛手を受けている。米金融当局のタカ派傾斜と新型コロナウイルスのオミクロン変異株の出現で仮想通貨の時価総額は10%余り減少。新規公開株の時価総額は500億ドル(約5兆6500億円)、ミーム銘柄のバスケットの時価総額は14%それぞれ減った。

  デイトレーダーの決意はこれまでも試されたことはあるが、中央銀行の無制限の支援がない状況でそれが起こるのは数年ぶりだ。米金融当局によるインフレを巡るトーンの変化が先週、リスク市場を動揺させた。プロの投機家は既にリスクを1年8カ月ぶりのスピードで減らしている。

  ビットコインのような資産の大幅な値下がりは、逆資産効果と称される形でより多くの投資家の信頼感を低下させる可能性がある。仮想通貨投資家が口座で使える金額は全体で、11月26日に株価下落が始まった時より約2500億ドル減った。

  ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「先週の押し目買いがうまくいかなかったため、小口トレーダーは多少控えめな姿勢になりつつあるだろう」と述べ、「今年の需給方程式の需要面で彼らは非常に重要だっただけに、その不在は強気派にとって歓迎できない展開だ」と指摘した。

  24時間取引のビットコインが何らかの兆候であれば、市場はさらにボラティリティー(変動性)が高まるだろう。ビットコインは3日の株式市場終了以来、一時21%下落し、週末は変動の激しい展開が続いた。一時は約4万2290ドルに下落し、数週間前に付けた6万9000ドル付近の最高値を大幅に下回った。一方でビットコイン先物の未決済建玉が急減するなど、仮想通貨のポジションを清算する動きが加速している兆候が見られる。

ビットコインが20%超の下落、暗号資産全般が売られる

  株式市場や仮想通貨市場での先週の幅広い下げは、ビットコインが機関投資家のポートフォリオのヘッジとして不十分なことをさらに裏付けた。資産運用会社マン・グループの最近のリポートによれば、主要な資産クラスとの相関関係がゼロに近いという魅力はあるが、過去10年を振り返ると株価が1カ月で5%以上売られた時期の86%でビットコインは値下がりし、平均下落率は13%だったという。

  ミラー・タバクのメイリー氏は、「ビットコインは主要なリスクオン・リスクオフ資産として受け止められているため、下落基調にとどまり、特に下げが継続した場合には、他のリスク資産にとって翌週の見通しに重要な警報になろう」と述べた。

  タトル・キャピタル・マネジメントのマシュー・タトル最高経営責任者(CEO)は、ビットコインはインフレヘッジになると仮想通貨の強気派は主張したがるが、実際にはリスクオン資産のように動いていると指摘。「リスクオンとリスクオフの観点からはビットコイン急落は株式には好材料ではない」と述べ、このように大きな一分野での下落は全体的なセンチメントにとっても決して良いことではないと付け加えた。

(マン・グループのリポートなどを追加して更新します)

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