(ブルームバーグ): 岸田文雄首相は6日、衆院本会議での所信演説で、「世界の物価が上昇し、わが国に波及する懸念が強まる」とした上で、「経済を守るためにも、賃上げに向け全力で取り組む」と表明した。

  民間企業の賃上げを支援する税制を抜本的に強化すると明言。企業の税額控除率を大胆に引き上げる考えを示した。赤字でも賃上げする中小企業に対しては補助金を引き上げる特別枠を設ける。

  岸田首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を掲げる。労働者の賃金上昇を分配戦略の柱に据えており、公的に処遇が決まる看護、介護、保育、幼児教育分野の給与引き上げに着手する。

  2022年春闘では、業績が新型コロナウイルス禍前の水準を上回った企業には3%超の賃上げを求めている。ただ日経新聞によると、経団連は春闘に向けた経営側の指針で、一律の賃上げは見送る。

  新型コロナの影響を受ける経済の立て直しに向けては、「危機に対する必要な財政支出は躊躇(ちゅうちょ)なく行い、万全を期す」と説明。経済を立て直した上で、財政健全化に取り組む考えを示した。

  オミクロン株のリスクを踏まえたコロナ対応は、「最悪の事態を想定」した上で、「細心かつ慎重に対応するとの立場を堅持する」と訴えた。外国人の入国に関して厳格な対応を取ることを強調し、「状況が十分に分からないのに慎重すぎるのではないかとの批判は、私が全て負う覚悟だ」と語った。

  岸田内閣の支持率は、読売新聞が3ー5日に実施した世論調査で62%となり、11月の前回調査から6ポイント上昇した。オミクロン株に対する水際対策で、全世界からの外国人の新規入国を停止したことについては、「評価する」が89%に達した。

その他の演説のポイント

新型コロナ対応ワクチン3回目接種はできる限り前倒し飲めるコロナ治療薬は、年内の薬事承認目指す社会経済活動再開は楽観的になることなく慎重に状況見極め感染再拡大時は行動制限の強化含め、機動的に対応対応を徹底的に検証、来年6月までに抜本的体制強化策市場に依存しすぎたことで格差や貧困が拡大した上場ルール見直し、スタートアップ・エコシステムを強化地域の中小企業と連携し、大学発ベンチャー創出へ海底ケーブルの日本周回、3年程度で完成させる来春、規制見直しを進めるプランまとめる−デジタル化再エネ最大限導入で規制見直し、クリーンエネルギー分野に大胆投資経済安全保障供給網強化など経済安保の新法案の来年の通常国会提出目指す半導体国内立地推進のための法案を今国会に提出5000億円規模の基金で人工知能など研究開発を後押し企業の人材投資の見える化図るため、非財務情報開示を推進若者世代・子育て家庭の所得の大幅引き上げ目指す外交・安保できるだけ早期に訪米し、バイデン大統領と会談する敵基地攻撃能力含め現実的に検討、防衛力を抜本的に強化新たな国家安全保障戦略など、おおむね1年をかけて策定

(経団連に関する報道を追加します)

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