(ブルームバーグ): 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)2年目となった今年、アジアでは内向きになった中国の影響力が低下した。オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所がこうした分析を示した。

  シドニーを本拠とする同研究所が発表した2021年版「アジア・パワー指数」によると、中国は人口動態と金融システムの構造的脆弱(ぜいじゃく)さに苦慮するとともに、一段と孤立主義を深め、影響力を低下させた。

  相対的に影響力を強めたのが米国。今回の研究リサーチ責任者でローウィーの「アジアン・パワー・アンド・ディプロマシー・プログラム」のディレクターを務めるエルベ・ルメイユ氏は、バイデン政権が外交関係改善に取り組んだこととワクチン接種による迅速なパンデミックからの回復が寄与したと指摘した。

  同指数は経済的影響力や防衛力、文化・外交的影響力など131の指標を用いて26カ国・地域の総合力を計測している。

  ルメイユ氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「軍事や経済、人口統計など広範な測定手段で米国と中国の将来的見通しの評価に若干の逆転があった」と述べ、 「そしてそれは、中国と同等か、またはわれわれが予想していたよりもずっと長い期間にわたり、米国が第一の超大国として競争力を維持するか、または競争力を維持する能力を持っていることを示唆している」と説明した。

  調査によれば、アジア太平洋地域での総合力上位10カ国は、米国、中国、日本、インド、ロシア、豪州、韓国、シンガポール、インドネシア、タイ。今年の番付はパンデミックのより長期的な影響を反映しており、ほとんどの国が昨年と比べ総合力を落とした。

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