(ブルームバーグ):

3月に予想される米利上げは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にとどまらないとの観測が強まり、18日の米国債相場は下落。長期債の利回りプレミアムはほぼ2年ぶりの幅に縮小した。

  午後の取引ではすべての年限で利回りが上昇し、中でも5年債は一時9.7bp上昇。10年債利回りは一時1.865%と、2020年1月以来の水準を付けた。5年債に対する30年債の上乗せ利回りは、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた20年3月より後で初めて50bpを下回る場面もあった。

  3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)への注目度が高まる中、市場では25bpを超える利上げが意識され始めている。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)や、投資家のビル・アックマン氏らもこれまで、市場で予想されている以上の利上げが必要になる可能性を警告している。

  野村ホールディングスの金利ストラテジスト、アンドルー・タイスハースト氏は「米利上げ開始に伴う今年の金利市場、特に米国のテーマは利回り上昇とイールドカーブのフラット化だ」とし、「10年債利回りは初回利上げより前にピークに達する可能性が低いことを過去の例が示唆している」と話した。

  投資家の間では、インフレ加速の中で米当局が引き締めペースを速めるとの懸念が高まっており、スワップ市場は1年以内に4回の25bp利上げがある予想を織り込んでいる。ウォラ―米連邦準備制度理事会(FRB)理事はインフレ動向次第で今年5回の利上げもあり得ると発言した。

  カナダのCIファイナンシャル傘下GSFMの投資コンサルタント、スティーブン・ミラー氏は「債券市場がインフレに関する現実に追い付きつつある状況の反映だ。中央銀行がインフレに出遅れまいとしてあわてているというのが現実だ」と話した。

  FOMCは直近の金利サイクルで25bpより大幅な利下げを実行しているが、利上げに関しては過去20年間、25bpに限定する傾向にある。最後に25bpを上回る利上げがあったのは2000年5月で、50bpの引き上げだった。当時はすでに引き締めサイクルが十分に進行していた。

  豪ウエストパック銀行のストラテジスト、イムリー・スパイザー氏は「米金融当局がタカ派色を強めるとの見方を通じて米金利が上昇し、そこにインフレ期待の高まりが加わってドルを支えている」と指摘した。

 

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