(ブルームバーグ): フランスの自動車メーカー、ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は中国事業の低迷にうんざりし、連合を組む日産自動車と長年描いてきた中国市場戦略を破棄することも辞さない構えだ。

  日産とルノー、三菱自動車の3社連合(アライアンス)は2020年5月、各社がそれぞれ強みを持つ地域の事業をけん引し、各地域でリーダーとなる会社を他の2社がサポートする「リーダーとフォロワー」の枠組みを採用すると発表した。

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  しかし、中国事業の巻き返しでデメオ氏が目を付けたのはアライアンスではなく、中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団との提携だった。同氏は先週、メディア関連行事の際にブルームバーグ・ニュースとのインタビューに応じ、「ルノーの中国戦略全体が間違っていた」と語り、「日産は悪くない。日産は中国でリーダーかもしれないが、慈善事業をしているわけではない」と続けた。

 

  昨年8月に発表された浙江吉利との提携は、ルノーと日産の関係にまだ希薄な面があることを物語っている。ルノー・日産は今月27日に新たな共同プロジェクトを発表する予定だが、目を引くような中国での協業が含まれる公算は小さい。

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  事情に詳しい関係者によれば、ルノーは浙江吉利との交渉に日産を巻き込むことはなかった。ルノー・日産はかつて研究や人事といった分野でも協力していたが、協業やコミュニケーションは減ってきたと、関係者の1人が非公表の内容だとして匿名を条件に明らかにした。

  日産の担当者にコメントを求めたが返答は得られなかった。日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は20日、ブルームバーグテレビジョンに対し、アライアンスは常に戦略的なパートナーシップだと説明し、21年間にわたり協力やシナジー効果の達成で成功していると語った。

  ルノーが中国で昨年販売した台数はわずか1万9229台にとどまり、市場シェアは0.08%。一方、日産の中国販売台数は5.2%減の138万台だった。デメオ氏は「日産では当社の助けにならない」と述べた。

 

 

 

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