(ブルームバーグ): 海外通貨に対する日本円の総合的な実力を示す実質実効為替レートが、半世紀ぶりの低水準となっている。海外に比べて低位にとどまる日本の物価水準や足元の円安進行が低下の背景にある。

  日本銀行が23日に公表した4月の実質実効為替レートは60.91と、1971年8月の58.41以来の水準に低下した。

  長期にわたり日本経済のデフレ状態が続いたことが同レートの低下の主因。足元でも米欧では前年比上昇率が8%前後とインフレが高進しているのに対し、日本の4月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)は2.1%に伸びを高めたものの、欧米とは格差がある。

  円は年初来、主要10カ国通貨全てに対し下落している。対ドルでは4月に約20年ぶりの円安水準となる1ドル=131円台を付けた。米欧の中央銀行がインフレ対応で金融引き締めに乗り出す一方、日銀は2%の物価安定目標の達成まで現行緩和策を維持する方針で、方向性の違いが円売り要因となっている。

  実質実効為替レートは特定の2通貨間だけでなく、対象となる全ての通貨と円との為替レートを貿易額などで加重平均し、各国の物価動向も反映している。日銀は国際決済銀行(BIS)が公表したレートを利用している。

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