(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は24日、ユーロ圏の金融政策は「転換点」に至ったとして、7−9月(第3四半期)末までにはマイナス金利を脱するとの認識をあらためて示したが、緩和引き揚げを急ぎはしないと強調した。ビルロワドガロー・フランス中銀総裁も、0.5ポイント利上げのコンセンサスはないと述べた。

  両氏は「世界経済フォーラム(WEF)」の年次総会(ダボス会議)が開催されているスイスのダボスでブルームバーグテレビジョンのインタビューに答えた。

ビルロワドガロー氏、0.5ポイント利上げはECBコンセンサスでない

 

 

  ラガルド氏は「需要急増の状況にあるとは思わない」とし、「明らかにサプライサイド起因のインフレであり、正しい方向に進まなければならないのは明白だが、急いだりパニックに陥ったりする必要はない」と語った。

  ビルロワドガロー氏は「0.5ポイント利上げは現時点でECBのコンセンサスに含まれていない。これを明白にしておく」と述べ、「金融政策の正常化であって引き締めではない。利上げは漸進的なものになる」と指摘した。

 

  ラガルド氏は前日のブログ投稿でも7−9月(第3四半期)末までにマイナス金利を脱するとの見通しを示していた。同氏のスケジュールは7−9月期内の2回の0.25ポイント利上げを示唆し事実上0.5ポイント利上げの可能性を排除するため、選択肢を残したい一部当局者は不満を感じていると事情に詳しい関係者が述べた。

ECB、9月末までにマイナス金利脱却の公算大−ラガルド総裁 

  ラガルド総裁は24日、「マイナス脱却ということはゼロでもあれば、ゼロを若干上回ることもできる。これはECB経済予測とフォワードガイダンスに基づいて決定することだ」と語った。

  ラガルド、ビルロワドガロー両氏はいずれも、中立金利と見なされる水準に向けて金利を引き上げることを想定している。同水準は1−2%とも考えられる。  

  ラガルド氏はまた、「現時点でユーロ圏がリセッション(景気後退)に陥るとは考えていない」とも述べ、「過去最低」の失業率と家計貯蓄の大きさ、夏季の観光業の堅調見通しがウクライナでの戦争とインフレ急騰の悪影響を打ち消すと予想。ビルロワドガロー氏も「欧州での活動は引き続き底堅い。今年もかなりの成長が可能だろう」と述べた。

  利上げに伴ってユーロ圏各国の国債利回りに格差が生じる可能性についてビルロワドガロー氏は「必要に応じて行動する意思と能力がある」とし、域内市場の分断化をECBが座視すると考えるべきではないとくぎを刺した。

 

 

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