(ブルームバーグ): ロシアは占領したウクライナ南部の住民に対し、通常より迅速な手続きでロシアの市民権を付与する。ウクライナ政府は、プーチン大統領が承認したこの動きを非難した。

  ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアに対し、交渉再開の用意があることを示すために侵攻した2月24日より前の位置に軍を撤収させるべきだと主張した。ロシア軍は南部ザポリージャ近くに部隊を集結させているほか、ドンバス地方で攻撃を続けている。

  ロシア中央銀行は政策金利に関する次回の会合を、当初予定より2週間余り早めて今週26日に開催する。通貨管理や高値圏にある商品(コモディティー)価格を背景に、ルーブルの対ドル上昇に弾みがついている。

ロシア中銀、緊急金利会合を26日開催−政策発表は日本時間午後4時半

  ロシアはドル建て外債の支払いをルーブルで行う意向を表明。米国は前日、これまで在米のロシア債保有者への債務履行を可能にしてきた制裁免除の特例措置が25日に失効することを確認していた。

ロシア、ルーブルで利払い履行すると表明−米特例措置の失効後

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

ロシア経済は一部の予想より良い−プーチン大統領

  プーチン大統領は「ロシア経済のトレンドは一部の専門家が予想したより、かなり良い」と述べた。大統領府で行った当局者らとの会議で発言したもので、インフレ率が今年15%を超えることはないとの見通しも示した。今年が「容易でない」状況に変わりないとも付け加えた。会議の模様はテレビ中継された。

プーチン氏、侵攻後初の軍病院訪問

  プーチン大統領はモスクワにある軍の病院を訪れ、医師や負傷兵らに会った。ウクライナ侵攻を命じた後、プーチン氏がこうした病院を訪問したのは初めて。ロシア大統領府がウェブサイトに掲載した写真と国営テレビの放送で見る限り、同氏が面会した負傷兵らはそろいのパジャマを着ており、目立った負傷箇所はなかった。

占領地の住民に市民権を迅速付与へ

  ロシアが占領したウクライナ南部のヘルソンとザポリージャの住民に対し、通常より迅速な手続きでロシアの市民権を付与するとの大統領令に、プーチン氏が25日署名した。

  ウクライナ外務省は、ロシアの「違法」なパスポート発給はウクライナの主権や領土の一体性を損ない、国際法に反するとし、この戦争におけるロシアの「犯罪的目標を示すさらなる証拠だ」と非難した。

多連装ロケット発射システム追加配備を−クレバ外相

  ウクライナのクレバ外相は世界経済フォーラムが開かれているスイスのダボスで、多連装ロケット発射システムを可能な限り早期に追加配備する必要があると述べた。配備が遅れた場合はドンバス地方の「極めて悪い」状況がさらに悪化するほか、ヘルソン周辺の解放もできなくなると訴えた。

全領土の奪還を国民は目指している−ウクライナ大統領

  ゼレンスキー大統領はウクライナのビクトル・ピンチューク財団がダボスで主催した朝食会で、ウクライナ国民は領土の全てを取り戻すまで戦うだろうと述べた。ロシアとの交渉は行き詰まっており、ロシア軍を侵攻前の位置に撤収させない限り外交の望みはないと発言。プーチン氏は「情勢を全く認識しておらず、自身の情報の世界にいる」とゼレンスキー氏は指摘した。

カナダ、重火器弾薬をウクライナに供与へ

  カナダはM777榴弾(りゅうだん)砲で使用可能な弾薬2万発をウクライナに供与する計画だとカナダ国防省が声明で明らかにした。

EU、制裁対象ロシア個人・団体の資産接収権限拡大目指す

  EUは犯罪で得られた資産を接収する加盟国の権限を拡大する新法を提案する方針だ。この資産には制裁対象とされたロシアの個人・団体のものも含まれる可能性がある。新法は組織犯罪の取り締まり強化が目的。

欧州はプーチン氏に対し案外強い立場にある−ソロス氏

  資産家のジョージ・ソロス氏は24日、スイスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に合わせて開かれた夕食会でスピーチし、欧州は天然ガスに関して、ロシアのプーチン大統領にとって唯一のマーケットであるため、欧州側が考える以上に強い立場にあるとイタリアのドラギ首相に書面で伝えたと明らかにした。

ロシアの債務履行可能にした米特例措置失効へ

  ロシアが米国内のロシア国債保有者に支払いを履行することを可能にしている制裁免除の特例措置は、米東部時間25日に失効すると米財務省が24日に発表した。ロシアはこれにより、デフォルトに追い込まれる可能性が高まる。

  同省は米国の銀行や個人が東部時間25日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)以降、ロシア政府からの債務支払いを受け取ることができなくなる趣旨の外国資産管理局(OFAC)の声明を掲載した。

ロシア軍の地雷が市民の日常生活再開を妨げ−キーウ市長

  ウクライナの首都キーウ(キエフ)のクリチコ市長は、同国北部からロシア軍は撤退したかもしれないが、ロシア軍が至るところに地雷を設置したため、市民が日常生活を取り戻すのはなお難しいと述べた。

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