(ブルームバーグ): 詐欺罪などで米国で起訴されたビル・フアン被告が創業し、ポジション破綻したファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの社員らは、「神(創造主)、フアン、アルケゴス」への忠誠を会社で公言し、被告も「牧師に聖書を教える金融マン」としばしば自称していた。

  アルケゴスの元マネジングディレクター、ブレンダン・サリバン氏がフアン被告を相手取り、未払いの繰り延べ賞与5000万ドル(約68億円)の支払いを求めて5日に起こした訴訟は、アルケゴスで「個人崇拝」が横行していたかどうかが焦点となる。

  サリバン氏によると、フアン被告は「世界で最も金持ち」になることを目指し、金もうけで手段を選ばなかった。ポジションを積み上げていた銘柄の株価下落に伴い、2021年3月にアルケゴスは破綻に至る「死のスパイラル」に突入。フアン被告も数日のうちに200億ドル余りを失った。

  サリバン氏はマンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地裁に提出した訴状で、アルケゴスでは業績でなく、フアン被告への忠誠心が最も重要だったと主張した。その規則に従う社員は「良い部下」であり、異を唱える者は公然と冷遇されたという。

  訴状によれば、フアン被告とアルケゴスの最高財務責任者(CFO)パトリック・ハリガン被告、他の4人の幹部らは、社員の年間ボーナスのかなりの部分をアルケゴスの「繰り延べ報酬プラン」に強引に拠出させ「詐欺」に関与した。元金は保証され「損失を被るリスク」はなく、前年に達成した価値を割り込むことは決してないと社員に伝えていたという。

  両被告はアルケゴスのポジションを偽り、ウォール街の金融機関を欺いたとして詐欺罪などで起訴されたが、いずれも無罪を主張し、公判で争う構えだ。

  フアン被告の代理人ローレンス・ラストバーグ弁護士は、コメントを控えている。ハリガン被告の代理人の弁護士にもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

‘God, Hwang and Archegos’: Suit Offers Inside Look at Firm (1)(抜粋)

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