(ブルームバーグ): 米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、同社の株式約792万株(約68億9000万ドル=約9300億円相当)を5日に売却した。米証券取引委員会(SEC)への9日の6件の届け出で明らかにした。

  マスクCEOは、一方的に合意を撤回したツイッターの買収を履行せざるを得なくなる事態に備え、土壇場でのテスラ株の処分売りを避けたい意向を示した。

  「テスラ株売却はこれで終わったか」「米ツイッターの買収が完了しない場合には、テスラ株を再び購入するか」と情報開示後にフォロワーから質問されたマスク氏は、いずれも「その通り」と9日遅くにツイートで答えた。

  「この合意に基づく買収の完了をツイッターが強制し、一部の株式パートナーに頼れない場合(起こりそうにないことを願うが)、テスラ株を急場で売却する事態を避けることが重要だ」と同氏は説明した。

  ツイッター買収の合意を7月に撤回した後、同氏がテスラ株を売るのは今回が初めて。同氏が直接保有する株式数は約1億5500万株に減少する。

  ツイッターとの買収合意発表後にテスラ株約85億ドル相当を処分した同氏は、4月末の段階で追加の売却計画はないとしていた。

マスク氏、テスラ株85億ドルを売却−ツイッター買収合意発表後に

  サクソ・キャピタル・マーケッツのストラテジスト、チャル・チャナナ氏は、マスク氏がツイッターに必要な現金の準備を明らかにしたとの見方を示す。

  ループ・ベンチャーズのマネジングパートナー、ジーン・マンスター氏は、株式売却の理由をマスク氏が説明する前の段階で、ツイッターを同氏が買収する確率を75%と見込んでいた。「驚いている。テスラにとって短期的に逆風になるだろう」とマンスター氏は指摘した。

  マスク氏は週末、ツイッターがアカウントのサンプリング方式とそれらが本物だと確認する手法を単に示せば、買収手続きは最初の条件で進むはずだとツイートしていた。

  自らが保有するテスラ株の10%放出についてツイッターで賛否を問い、賛成多数で支持された後、マスク氏(51)は昨年11月に売却を開始し、過去10カ月で約320億ドル相当を手放した。同社の株価は5月に付けた直近の安値から約35%上昇。年初来ではなお約20%下げている。

テスラ株、一時8カ月ぶり大幅安−マスク氏保有210億ドル分売却に賛意

 

 

(ストラテジストの見方を追加して更新します)

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