(ブルームバーグ): みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ銀行が、日本銀行に預けている当座預金のうち、マイナス金利が適用される「政策金利残高」に約9000億円を預け入れたことが16日、分かった。足元の短期金利の水準は日銀が適用するマイナス金利を下回って推移していることから、余剰資金をより効果的に運用するための手段として活用を決めた。

  日銀が同日公表した統計では、7月の都市銀行のマイナス金利適用残高(7月16日から8月15日の平均残高)は9030億円だった。みずほ銀の広報担当者は、同行が全額預け入れたことを確認した。

  日銀の当座預金の適用金利は3層構造となっている。2016年のマイナス金利政策の導入時点で預けられていた「基礎残高」で0.1%、準備預金制度で預け入れが義務付けられている分などの「マクロ加算残高」は0%、基礎残高とマクロ加算残高を上回って預ける「政策金利残高」がマイナス0.1%。

  国際的なインフレや欧米の利上げによる影響で長期金利が上昇し、銀行が余剰資金を運用していたリバースレポや短期国債に資金が流れたことで短期市場金利はマイナス0.1%を下回って推移することが多くなった。

  みずほ銀・総合資金部の三輪卓生副部長はブルームバーグの取材に対し「足元の短期金融市場の金利動向や見通しを踏まえると、経済合理性から政策金利残高の活用が適切」と説明。マーケットの環境次第では今後も数兆円規模で預け入れる可能性はあるという。

  マイナス金利適用による負担分を預金者に転嫁する可能性については「あくまで余剰資金の運用ツールの一つとしての活用。従来よりマイナス金利は存在しており、今回の利用を受けて顧客への転嫁は考えていない」と述べた。

  大手行による政策金利残高の活用はマイナス金利政策導入当初を除けば、21年12月に三菱UFJ銀行が預け入れた以降は進んでいなかった。日銀の統計によると同月の残高は2734億円。一方、地方銀行や信託銀行なども含めた金融機関全体の日銀当座預金のマイナス金利適用残高は22年7月で33兆2970億円だった。

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