「1970年代のプログレ」

 ピンク・フロイドの「狂気」にしびれた世代にはたまらない本。「山陰の小都市に住む中学二年生」だった著者は、いかにプログレッシブ・ロックにはまったか。イエス、キング・クリムゾンなど「5大バンド」をたどり、ネット社会で失われた「大切な何か」を語る。
★馬庭教二著 ワニブックスPLUS新書・990円

「マスターズ」

 松山英樹選手の優勝で注目が集まったマスターズ・トーナメント。この男子ゴルフのメジャー大会は、世界中のプロが憧れる舞台だ。1934年にボビー・ジョーンズが作った大会の歴史を、歴代優勝者のプレーとともに振り返る。会場のオーガスタ・ナショナルGCの全図と18ホールのコース図も掲載。
★本條強著 ちくま新書・968円

「東京 パンデミック」

 コロナ禍の東京臨海部や築地市場跡など都市の風景を撮影したモノクロ写真36枚とエッセー。著者は76年生まれの写真家。「東京はつくりながら、そのつど自らの過去を消していく」とつづり、人工物を撮る。人はほぼ写っていない。「人がいない方が、人間がより出てくる(・・・・・・・・・)」という。
★山岸剛(たけし)著 早稲田新書・990円

「まちづくり幻想」

 国の膨大な財源が投入されているのに、地方はますます衰退している。一発逆転を求め地域活性化に取り組んでも、他の成功事例を模倣し、コンサルに外注するだけ――そうした失敗は多い。地方創生の活動を続ける著者が、全国の実践例や統計からまちづくりに潜む「幻想」を指摘する。
★木下斉(ひとし)著 SB新書・990円

「ドレミファソラシは虹の七色?」

 副題は「知られざる『共感覚』の世界」。共感覚とは音や文字に色を感じたり、色から音を感じたり、味から形を感じたりする現象のこと。例えば「A」を赤色と、「B」を青色と結びつける人が多いという。音階が虹色になることを不思議に思った認知脳科学者が謎に迫る。
★伊藤浩介著 光文社新書・924円=朝日新聞2021年5月1日掲載