3日、20年ぶりの新しい日本銀行券3種類が発行され、各地の日銀支店では市中銀行など各金融機関に新しい紙幣が引き渡されました。
こうしたなか、券売機を使うラーメン店などでは新紙幣対応への出費もあり、原材料費・高熱費高騰のトリプルパンチで悲鳴を上げています。

新たに発行されたのは、1万円と5000円、1000円の3種類の紙幣です。
3日朝、島根県松江市の日本銀行松江支店でも、山陰両県の金融機関が1万枚ずつパックされた新紙幣を専用の輸送車に積み込み、持ち帰りました。

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日本銀行松江支店 大関雄資 支店長
「新たな紙幣では2つのポイントがありまして、高精細すき入れや3Dホログラムといった新しい技術を取り入れており偽造抵抗力を向上させています」

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紙幣のデザインの変更は2004年以来、20年ぶりのこと。
3Dホログラムなどの最新技術を駆使した新紙幣は、偽造が極めて難しいとされています。
今後、この新紙幣に置き換えられ、これまでの紙幣は徐々に姿を消して行くとみられます。

日本銀行松江支店 大関雄資 支店長
「これまでの銀行券も新しいお札が発行されたあとも引き続き使うことができますので、くれぐれもお間違いのないようにお願いしたいと思います」

新紙幣の登場に沸く一方、悲鳴を上げている人たちも…

鳥取県米子市内の人気ラーメン店。

特製の太麺に合わせるのは、13時間かけコトコト煮込んだ濃厚スープ。絶品チャーシューにホウレン草と海苔が決め手です。
この店不動の一番人気、「家系ラーメン」です。

土江諒 記者
「濃厚です。とんこつと醤油のコクが癖になります。バテ気味なこの時期にぴったりなスタミナ満点の一品です」

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この店は、食券を購入し、先に支払いを済ませて席に着く券売機スタイル。
気になる新紙幣への対応はどうなっているのでしょうか…

はし友 橋本勇 店主
「はい、対応しています、今年3月頃にはもう早々に。7月になると混み合うので、早め早めにということで設置しました」

この店では今年3月、およそ20万円をかけて券売機内の部品を一部交換し、新紙幣に対応する仕様に更新したということです。

はし友 橋本勇 店主
「キツイですね、本当に。全額自分のところで負担というのは、個人店なんで大きい負担ですね」

この店の券売機は現金オンリー。ニーズの高いキャッシュレス対応に変更したいところではありますが…。

はし友 橋本勇 店主
「キャッシュレスに対応した機械はすごく高いので、リースという形にしても対応できないかなということで、まだまだ現金でという感じです」

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自慢のチャーシューでも使用する豚肉は、コロナ禍前の1.7倍に高騰するなど材料費や光熱費も高騰するなか、痛い出費となりましたが、お客さんへの利便性をアピールすることで集客にもつなげたい考えです。