Q 日経平均、どうしてこんなに高くなってるの?

 コロナ禍で「不景気」なニュースが相次ぐ一方で、1月8日には日経平均株価が大幅高となり2万8000円を突破、実に30年ぶりの高値をつけました。どうしてこんなに株が上がっているのでしょうか。(20代・男性・会社員)


東京証券取引所 ©文藝春秋

A 理由は2つあります。

 理由は2つ。ひとつは、日銀の金融緩和が続き、政府も金融機関に対して景気対策のために積極的に融資をするように求めていることが背景にあります。

 結果、資金を借りても金利はほとんどゼロ。そうなると、資金に余裕のある企業や個人は、コストをかけずに資金を借り、それで株の投資に使うようになるのです。

 金利がゼロに近いと、投資先として国債や社債は魅力ありません。そこで株投資に向かうのです。

 とは言っても、株は国債や社債よりリスクがありますが、いまは日銀が景気対策のために株を購入しています。個別の企業の株ではなく、日経平均株価連動型ETF(上場投資信託)を、証券会社を通じて購入します。ETFは、日経平均株価の算出に使われる企業の株を満遍なく購入するものですから、日銀の買いが入れば、日経平均株価は上がります。

 投資家は、このメカニズムを熟知していますから、「株価は少し下がることがあっても日銀が買い支えてくれるから損することはない」と考え、安心して株を購入します。

 つまり景気対策によって株価が上がっているのです。

 本来は、景気がよくなって株価が上がるものですが、そうはなっていないのです。

(池上 彰)