例えば三菱UFJ銀行の場合、首都圏等の大都市部に支店が多いため預金そのものは積み上がっているが、利ざやを確保できる融資先や運用先がない状況にある。2022年1月17日には、三菱UFJ銀行が、とうとう初めて日本銀行のマイナス金利の適用を受けるに至ったことが報道された。このことは、利ざやの悪化に追い込まれていることを意味する。これに対して、インターネット専業銀行である住信SBIネット銀行や楽天銀行の利ざや幅の大きさが目立つ。

融資系サービスでの収益確保の難しさ

 それでは、融資系サービスでの収益確保の方法はあるのか。収益確保には三つの要素がある。第一は返済が確実に行われること、第二に利ざやを確保できること、第三に金額が相応に大きく、事務コストを吸収可能であることの三点である。

 第一の要素である返済が確実に行われることは最も重要で、返済が滞ると、その督促や管理による経費がかかってしまう上に、万一返済されず、担保等での回収もできないと、回収できない金額が損失となってしまう。

 第二の要素である利ざやを確保できることは、第一の要素とトレードオフになることが多く、返済が確実な取引先の場合、他の銀行との競争になるため、高い利ざやを確保することは難しくなる。一方、利ざやが確保できる場合、第一の要素である返済がされないリスクが高まってくる。なお、新興国市場のように成長途上にある市場では利ざやが大きい。実際、メガバンク等はアジア圏への海外進出で収益を確保している。

 第三の金額が相応に大きく、事務コストを吸収可能であることも実はかなり重要である。従来の銀行の審査や手続きは、金額によらず一律の手続きで行われてきた。これは、金額が小さい融資では、金利を高くしないと事務コストを吸収できないことを意味する。しかし高い金利で契約することは現実には難しいため、金額の小さい融資案件は採り上げず、取引先も銀行融資を期待しない状況にあった。

 これらの三点が銀行の融資での収益確保のネックとなっているが、少額の資金調達でもAI等を利用することで審査や融資後の事務管理コストを削減し、スピード感を出す一方で利ざやを取って利益を確保するスキームが登場してきている。具体的には、オンラインレンディングとオンラインファクタリングが代表的なサービスである。

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 当記事では、5つの方策のうち、2つ目の途中までを紹介。更にご興味がある方は、以下書籍を参照下さい。

(遠藤 正之)