母の再婚相手から、10年間に渡り性的虐待を受けてきた経験を描いたコミックエッセイ『 母の再婚相手を殺したかった 』。作者の魚田コットンさんは、なぜ継父からの性的虐待を公表しようと思ったのでしょうか。壮絶な体験をブログに描いた理由や、ブログを描いた後の心境の変化についてお聞きしました。(全2回の1回目。 後編 を読む)

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ブログをはじめるまで絵を描いたこともなかった

──3月に刊行された『母の再婚相手を殺したかった』は、ブログからスタートして、雑誌連載を経て書籍化されたとお聞きしました。ブログは、継父であるツカサの性的虐待について描くために開設したのですか?

魚田コットン(以下、魚田) いいえ、はじめは育児ブログからスタートしました。ちょうど「育児絵日記」が流行っていた時期で、「時計をもらった」と紹介しているブロガーのモニター記事を読んで、「ブログを書いたら時計がもらえるかも」と思い込んでアメブロを始めました。そこから少しずついろいろなテーマで描くようになり、今はアメブロからお引越しして、「NAPBIZブログ」に作品をアップしています。


『 母の再婚相手を殺したかった 』より

──最初からマンガで描いていたのですか?

魚田 最初は文章にイラストを添えて、絵日記のような感じで描いていました。自分には絵心も才能もないと思っていたので、ブログをはじめるまで絵を描いたこともなかったんですよ。でも昔からマンガは大好きでよく読んでいましたし、「育児絵日記ならできるかも」と挑戦しているうちに、絵を描くことに対する苦手意識がなくなり、楽しく描けるようになっていきました。

半ばヤケクソ状態で過去の体験を発信

 それに文章よりもマンガのほうがたくさん読んでもらえるんですよね。もっとたくさんの人に読んでほしいという気持ちから、だんだんマンガへと移行していきました。


『母の再婚相手を殺したかった』より

──継父による性的虐待について公表しようと思った理由を教えてください。

魚田 数年前に夫が浮気したことがきっかけで自尊心が奪われ、自分のなかでいろいろ気持ちを抱え込むのが苦しくなったからです。アメブロには、ブログの管理者が指定した人だけに公開できる「アメンバー限定記事」というのがあるので、半ばヤケクソ状態で「もう全部ネットの海に投げてしまえ」と過去の体験を含めて発信し始めました。