〈 「フジの良さが戻ってきている」社長・港浩一が語る、今のフジテレビが昔と“変わったところ” 〉から続く

 昨年6月にフジテレビの代表取締役社長に就任した港浩一さん(71)。ディレクター、プロデューサーとして『とんねるずのみなさんのおかげです』をはじめとした数々の番組を手掛け、同番組内ではとんねるず木梨憲武によって「小港さん」としてものまねされたことでも有名だ。

 ここでは、盟友である秋元康やとんねるずとの関係や、今なお語り継がれる伝説の「カメラ破壊事件」について伺った。(全3回の2回目/ 続きを読む )


フジテレビ社長・港浩一さん ©山元茂樹/文藝春秋

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とんねるずは芸人ではなく、エンターテイナー

――港さんととんねるずとの出会いを改めて教えてください。

港浩一社長(以下、港):1983年に『オールナイトフジ』が始まりました。月に4週あるんでディレクターが4人いたんですけどそのうちのひとりが僕。その時に僕が組んだのが秋元(康)でした。「さん付け」すると他人行儀になるので、普段通りに呼びます。秋元は、1980年に僕が深夜番組でディレクターデビューしたときの構成作家なんですよ。だから、長年の盟友です。

 それで『オールナイトフジ』が始まって半年後に「港ちゃん、日テレの『モーニングサラダ』に出てるとんねるずっていう若い面白いコンビがいるよ」と教えてくれて、紹介してもらったんです。

――初めて会った時の印象は?

港:2人とも180cmくらいあって、長身でカッコいいなと。ちょっと付き合ってみて、2人は芸人じゃないんだ、エンターテイナーなんだって思いました。芸能事務所で弟子だったとか修業したとかもないですし、部室の人気者が人を笑かすことが好きで登場してきた。スポーツマンだし、歌も歌えるし、ダンスもできる。おしゃれで面白い。日本初のエンターテイナーと仕事するんだって本当に思いました。

石橋貴明さんが生放送でカメラを壊し、始末書を提出

――出会いとなった『オールナイトフジ』でのとんねるずといえば、いわゆる「カメラ破壊事件」がありましたが、港さんも現場にいらしたんですよね?

港:僕はその回の担当ディレクターでしたから、フロアのPD卓(副調整室)でキューを振ってました。「一気!」という元気な曲で貴明はノリノリでした。2カメはハイポジでペデ(スタル=カメラスタンド)を高くしていた。そこに飛び乗ってハンドルを掴んだら、ハイポジになっているから倒れちゃった。

 自分で今でもスゴかったなって思うのは、貴明が向かってきて、飛び乗って、ゆっくり倒れていくのを適切なサイズで撮っていて、倒れていく2カメが映している映像も撮って、その後に憲武に寄ったら「俺知らねえ」って(笑)。生放送でそれを一連で指示して全部撮れたこと。港浩一ディレクターの当時の力量を自分で褒めてあげたいです(笑)。

 ただカメラを壊しましたからね。「貴明、弁償。800万払ってもらう」と。保険に入ってたんで大丈夫だったんですけどね。僕も始末書を書きましたよ。「石橋貴明さんが悪ノリのあまりカメラに飛び乗り、カメラが倒れてレンズが破壊したことをお詫びします」って(笑)。