突如閉店した東京・町田の高原書店 古本屋業界に起こした革命

 5月8日、東京・町田で高原書店という古本屋が突如閉店した。お店のフェイスブックがその旨を告げ、同じ日に破産手続き開始が決定したという。この店をご存じない人は「古本屋がつぶれるなんて今時よくあることでは?」と思われるかもしれない。

 しかしここはただの古本屋ではない。しばらくの間はツイッターで「高原書店」と検索すると、突然の閉店を驚き悲しむツイートが連日挙がっていた。町田周辺に住む人のみならず、本好きがこぞってここを訪れて古本を買い求め、かつお店そのものに長年親しんだことが窺える。


小田急線町田駅近くにあった高原書店。4階建ての巨大店舗だった ©黒田 創

ブックオフ出現前の「とにかく広い古本屋」

 多くの人が高原書店に引き付けられた一番の理由はその広さ。小田急線町田駅から徒歩5分。元は大手学習塾だった4階建てのビルのすべてに古本が詰め込まれ、1階は絵本や漫画、2階は文学や美術、哲学書といった具合に大まかに分かれている。学習塾の教室を居抜きで使っているため、ある部屋は日本文学、こちらは新書と文庫、あっちはスポーツ関係とさらに細かくジャンル分けされていた。玄関を入ると右に会計カウンターがあり、そこで店員さんに貴重品以外の荷物を預けて引き換えに番号札をもらう。同じく巨大古本屋として知られる宮城・仙台の萬葉堂書店も同様のシステムだが(こちらはロッカー式)、それほど規模が大きく、店員の目が行き届かないのだ。

 高原書店は1974年に創業している。当初は現店舗近くの10坪ほどのスペースで開店し、幾度か引っ越しを繰り返した後の85年、小田急線町田駅横の踏切そばに建つPOPビルに移転した。昔は緑屋というデパートが入り、現在も居酒屋や富士そばなどが入居する大きな雑居ビル3階のワンフロア、150坪がまるごと古本屋という規模。まだブックオフが出現する前であり、この巨大店舗は高原の名を各方面に轟かせるきっかけとなった。


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