教職員たちは報告書を読んでいない

 再調査報告書では、「子ども応援委員会」の制度についても、《名古屋市独自の素晴らしい制度であり、他の都市にはない》と評価されている。一方で、《この素晴らしい制度が、いじめについての子どもの権利擁護に役立っているのか、学校との連携方法など、実効的な組織・運用の在り方につなげるため、検証した上で、制度内容も含めた見直しが必要》(p97)と指摘されている。

「教職員たちは、華子さんの再調査報告書を含めて、これまでの調査報告書を読んでいないですね。ちゃんと読むつもりはないのです。何かをしようという気がないのではないでしょうか」(同前)

 市教委は、過去の報告書について、「すべての教員が報告書を読んでいないという指摘はその通りです。冊子そのものを読んでいないということはあったとは思います。しかし、具体的な学校としての取り組みとして実行されています」(指導室)と回答した。

 また、華子さんの自殺に関する報告書についても、「市教委の調査報告書は詳細な部分もあり、公表できないものがありますので、概要版は見るように案内しています。再調査報告書も目を通すように周知させていただいています。教職員には、それらの報告書を自分ごととして捉えるために読んで欲しいと思っています。それが意識改革の一つです。今回の再調査報告書については、9月の校長会でもすでに取り上げ、レクチャーしています。あとは、校長会が現場で具体化していくことになります」(指導室)としている。

自殺の理由をわからなくしておきたいのでは

「名古屋市では、毎年、複数の子どもの自殺がありますが、その度に、“どうして自殺が起きるんでしょうか? 理由がわかりません”となってしまっています。そのまま、わからなくしておきたいのでは、と思ってしまいます」(高原さん)

 いじめ対策の形骸化は、再調査報告書でも《(当該校では、)いじめ防止対策の要であるいじめ防止基本方針、いじめ防止対策の重要な委員会であるいじめ等対策委員会が形骸化しており、いじめ防止のための活動として実態がなかった》(P55)と指摘されていた。子どもを守るための変化が求められている。

(渋井 哲也)