眞子さまの心に国民の声は響かなかったのか 美智子さまが築かれた「大衆天皇制」が崩壊する から続く

「文藝春秋」11月号より御厨貴氏と林真理子氏による対談「『大衆天皇制』の崩壊」を一部公開します。(全2回の2回目/ 前編 から続く)

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「私たちの税金」と叫ぶ令和の大衆

御厨 眞子さまの問題で我々が思い知らされた、この「大衆天皇制の崩壊」という事態をどう受け止め、今後の天皇制の在り方をどう考えていくべきか。問題はこれに尽きると思うんですよ。

林 そうなんですね。「大衆」ということで言うと、ネットなんかを見ていると、「私たちの税金で生活している人が、どうしてこんなに勝手なことをしているんだ」という声をよく目にします。私の世代だとそんな発想が浮かぶことすらないから空恐ろしくなりますが、皇室に対してこういう意見が平然と交わされるというのは、かなり危険なことじゃないかなと思ってしまいます。

御厨 ミッチーブームの頃はそうした声がかき消されるほどに皇室の人気は高かった。みなが美智子さまの真似をして軽井沢でテニスをしたり、ご一家に憧憬の念を抱くばかりでした。理想の家族としての皇室像は、現在の天皇である皇太子ご一家や秋篠宮家など宮家にも伝播していきました。


愛子さま ©JMPA

30年前も大衆天皇制は存続していた

林 実は私、今日は軽井沢から東京に戻ってきたんです。昨日は1泊だけ万平ホテルに泊まりました。

御厨 皇室ゆかりのホテルですね。

林 それで思い出したのは、まだ2歳にならない眞子さまと秋篠宮ご夫妻が万平ホテルを訪れていたときの映像です。93年頃だと思います。ホテルで飼われていた大きなゴールデンレトリバーが、紀子さまに抱っこされた眞子さまに飛びかかったあの有名なシーン。紀子さまは「あら、お友達になりたいのね」なんて微笑んでいらして、本当に素敵なお母さんだった。眞子さまも自分より体の大きいゴールデンレトリバーに怖がらないで餌をあげたりして、あっという間に仲良くなっていく様子がテレビで流されました。