ジャーナリスト・金敬哲氏によれば、“アジア諸国ネット接続最長”の国は、一生涯のうち約4割の時間をネットに割く韓国だという調査が出ており、日本でも知られた性犯罪をはじめ様々な歪みが生まれているという。

 スマートフォンが欠かせない生活になって久しい日本。インターネットに接続していることが当たり前の世の中だが、そんな日本以上の「超ネット社会」では今、何が起こっているのか。金氏の著書『 韓国超ネット社会の闇 』(新潮新書)より、一部を抜粋して引用する。(本文内では10ウォン=約1円としています)

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「N番の部屋」事件と鬼畜化するデジタル性犯罪

 韓国の20代は「デジタルネイティブ」世代といわれる。幼い頃からデジタル環境で育った世代で、テレビよりパソコンの前に座っている時間が長く、本や新聞ではなくネットを通じて知識を得、SNSを通じて世の中とつながっている。ただ、そういった文化はたびたび物議をかもし、時には犯罪となることすらある。

 デジタルネイティブが起こした最も代表的で世間を震撼させた事件は「N番の部屋」事件であろう。18年から20年まで、未成年を含む若い女性を脅迫して性的な写真を撮影させ、テレグラムというメッセンジャーアプリでその写真を流布させた性犯罪である。


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 コトの発端は「ゴッドゴット」というハンドルネームを使っていたムン・ヒョンウクによる犯罪だった。ムンは、Twitterに際どい写真を投稿している女性ユーザーの身元を突き止め、彼女らを脅迫してわいせつ動画を強制的に撮影させたのだ。

 そうして手に入れた映像はテレグラムに作られた「1番部屋」から「8番部屋」(通称「N番部屋」)までの8つのチャットルームにアップロードし、拡散させた。テレグラムは海外に本社を置く会社で、一定時間が経過したらチャットの内容が自動削除される。そのため記録が残らず、セキュリティに優れているといわれ、密談好きな韓国政治家にも人気がある。

 N番部屋が密かに有名になると、これを模倣したわいせつチャンネルが雨後の筍のように登場するようになる。その中でも最も有名なのが「博士の部屋」だ。