「小さい頃はよく笑う陽気な子だったのに、生まれつき足が悪いこともあって、それが理由でいじめられるようになると次第に暗い性格になっていったそうです。しかも今に至るまで親しい友人が1人もおらず、パートで働いていたクリニックでも人間関係がうまく築けなかった。だから、誰にも悩みを打ち明けられなかったんじゃないでしょうか。お父さんの介護が将来必要になるかもしれないことも気にしていたと聞いています」

 12月6日に名古屋市中区のホテルで、女子大学生の加古結莉(かこ・ゆり)さん(20)が遺体で見つかり、一緒にホテルに宿泊していた福島県伊達市の渡邉真由美容疑者(39)、愛知県安城市(自称)の鈴木健太容疑者(48)、兵庫県姫路市の18歳の女子大学生が殺人の疑いで逮捕、送検された事件。渡邉容疑者の姉と付き合いのある知人は、渡邉容疑者の心境をこう推測した。


事件のあった名古屋市中区のホテル ©文藝春秋

 住む地域も年齢もバラバラな4人だが、捜査関係者によれば「彼らは自殺願望を持っていて、SNSを通じて知り合った可能性がある」という。“生き残った”渡邉容疑者の心の闇の深さはいかばかりだったのだろうかーー。

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加古さんは名古屋市内の薬学部に在籍で、薬の知識があった

 まずは事件の経緯を振り返っておこう。社会部記者が解説する。

「3人は同月5日から、加古さんとともに2部屋を予約し宿泊していました。6日、加古さんがチェックアウト時間を過ぎても部屋から出てこなかったことから、ホテル関係者が12時15分ごろに室内に入ったところ、ベッドの上で加古さんが仰向けに倒れているのを発見。12時25分に119番に連絡を入れるも、救急隊が到着した時にはすでに死亡が確認されています。

 その後、警察による現場検証が行われ、加古さんに目立った外傷や争った形跡はなかった。しかし、彼女の頭にはビニール袋がかぶせられ、首のあたりにはビニールテープが巻かれて密閉されたような異様な状態でした。

 司法解剖の結果、加古さんの死因は急性呼吸不全で、窒息死でした。さらに、室内からは睡眠成分が含まれる市販薬が見つかっています。加古さんは名古屋市内にある大学の薬学部に在籍しており、薬の知識があったと見られます」

 翌7日には近隣の別のホテルに身を潜めていた容疑者3人が発見され、8日までに逮捕された。社会部記者が続ける。