成り上がり茂木 VS. 小渕家の姫 竹下派の「跡目争い」勃発


安倍首相と同じ93年初当選の9回生 ©共同通信社

 自民党竹下派の政治資金パーティーが、3月13日に都内ホテルで開かれた。竹下亘会長が食道がん療養で不在の中、一人高揚していたのが会長代行の茂木敏充経済再生相(63)。「安定政権を作ることが外交、経済、社会保障といった様々な課題解決の上でも重要だ」と声を張り上げた。

 同じく会長代行で「参院のドン」、吉田博美党参院幹事長は欠席。足を痛め、車イスに乗る吉田氏は今夏、改選を迎えるが不出馬説が有力。実力者が次々と力を失う中、パーティーでカメラを向けられピースサインをする茂木氏に、派閥領袖への意欲が滲んだ。

 茂木氏といえば、以前は「パワハラ男」として有名だった。官僚との打ち合わせで、自分と違うタイミングで資料をめくる音が響くと「うるさい!」と一喝。レクに訪れる官僚たちは緊張で震えたという。朝が弱く不機嫌なことでも有名で、記者も朝方は寄りつかなかった。早朝の会議に遅刻し、おまけに酒臭かったため谷垣禎一元総裁から面罵されたこともある。

 東大から丸紅、ハーバード大大学院に入り直して読売政治部記者、さらに米コンサル大手マッキンゼーと華麗なる経歴を誇り、政策に強く英語も堪能で能力は高いが人望は皆無。そんな評が定着していた茂木氏だが、最近変化が見えている。予算成立時、汗をかいた党側にあんパンを差し入れたり、若手議員を誘って飲み会を開いたり。

 記者との接し方も然り。かつては好き嫌いが明確で「利用しがいがある」か「付き合っておかないと怖い」と思った記者とだけ付き合っていたが、最近は自らブリーフを行うようになった。以前は一度の説明で理解できない記者には露骨に不快感を示したが、今は繰り返し説明し、笑顔で「Do you understand?」。参院選後には念願の外相就任も噂される。

 そんな茂木氏の対抗馬が、小渕優子元経済産業相だ。小渕恵三元首相の愛娘で34歳で初入閣。早くから「女性宰相候補」「いずれは小渕派へ大政奉還」といわれたが、2014年に「政治とカネ」問題で経産相を辞任。秘書が有罪判決を受けて以降、表舞台から遠ざかった。ただ最近は沖縄サミットを開催した父の志を継ぎ、党沖縄振興調査会長に就任。今も4月の沖縄三区補選のために飛びまわる。

“地盤、看板、鞄”もなく日本新党から成り上がり、名門派閥を手中に収めんとする茂木氏に、姫の逆襲はあるか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年3月28日号)


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