五輪選手村マンション用地 「調査報告書」全文入手でわかった「不透明」格安払い下げ

 東京オリンピック・パラリンピックの選手村宿泊棟(21棟)が建設中だが、都有地だったこの敷地が格安でマンション開発業者に売却されたことが問題視されている。この選手村宿泊棟は五輪後にリフォームされて分譲マンションなどになるが、はやくもこのGWからはモデルルームが公開される。


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 この土地を巡っては、2016年、東京都都市整備局長に、一般財団法人「日本不動産研究所」(東京都港区)が作成した「調査報告書」が提出されたが、東京都は主要部分を黒塗りし、開示してこなかった。今回、黒塗りしていない「調査報告書」(別表含め全119ページ)の全文を、ノンフィクション作家の清武英利氏が入手し、ライターの小野悠史氏と「週刊文春」取材班とともに分析・取材したところ、大幅に値引きする根拠が不透明なことがわかった。

 13.4ヘクタール、東京ドーム約3個分にあたる東京・晴海の同敷地は、もともと都有地だったが、払い下げの際に約1500億円とも試算される破格の値引きが行われた経緯が、これまでも疑問視されてきた。2017年には、値引き分(または適正価格との差額)を舛添前知事と小池知事に求める住民訴訟が起きている(訴訟は継続中)。

 これまで住民団体や報道機関が、度々東京都に情報公開請求を行ったが、都は肝心な部分を黒塗りにした“のり弁”資料しか開示してこなかった。

「それに強い疑問を感じた」という選手村事業関係者から、“のり弁”のない原本の写しが清武氏に提供されたという。

 報告書の「原本」には、比較対象となったマンションの実名が記載されており、その用地の売買価格を調査したところ、選手村用地の約19倍だった。都の払い下げ価格が、異常に安いことを、都の鑑定資料自体が物語っていることになる。

 東京都は、こうした情報を開示しない理由について、次のように回答した。

「日本不動産研究所が独自に収集、加工した情報が含まれており、公にすることによって研究所の競争上、または事業運営上の地位、その他社会的な地位が損なわれる」(東京都都市整備局)

 小池百合子知事は、都知事選で〈“のり弁”から“日の丸弁当”へ〉と、情報開示の重要性を訴えていたが、その情報公開に対する姿勢が問われそうだ。

 4月25日(木)発売の「週刊文春」GW合併号では、破格の値引きや業者優遇の実態、“都議会のドン”と近い東京都幹部が選手村整備の中心人物だったこと、小池百合子都知事が情報開示に及び腰な理由などを、6ページにわたって詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月2・9日号)


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