「ステーキ海鮮で7万円なんて序の口」バブルの味を忘れられない“50代官僚”の接待感覚とは? から続く

 多くの議論が交わされている総務省官僚の接待問題。自身も元厚生労働省官僚(2001年入省・2019年退官)で、2020年11月に「ブラック霞が関」(新潮社)を上梓した千正康裕氏(45)が、「文春オンライン」に緊急提言を寄せた。

◆◆◆

ステレオタイプな官僚のイメージ

 官僚の接待のニュースが出るたびに、非常にイヤな気持ちになる。それは、自分も官僚を長くやっていたので、常に色眼鏡で見られる経験をしてきたからだ。居酒屋で役所の先輩と飲んでいる時に、話の内容から職業がばれたようで、急に隣のテーブルのサラリーマンに絡まれたこともあるし、辞めた今でも変わらない。国民のことなど考えておらず、天下りや既得権益を守るために仕事をしている人たち、そんなステレオタイプな官僚のイメージを本当に信じている人も世の中には少なくなかったと感じる。


接待問題で処分の対象となった総務官僚ら。左から、秋本情報流通行政局長,、吉田情報流通行政局長、谷脇総務審議官、山田内閣広報官 ©️AFLO

 1990年代の旧大蔵省の接待スキャンダルなどがあり、利害関係者からの接待などを禁止する国家公務員倫理法が2000年4月にスタートしたが、僕はその1年後に霞が関(厚労省)に入った。全省庁の新人キャリア官僚を集めての研修の最初に叩き込まれたのが国家公務員倫理法だった。今、思うと、新人に最初に叩き込むのがその内容って、ちょっと異常な気がするけど、当時の雰囲気はそんな感じだったのだろう。

 だから、僕らの世代(今の霞が関では課室長クラス)や下の世代の官僚たちは、そもそも接待の文化を知らないし、ステレオタイプな悪いイメージで世間から見られることがすごくイヤだったから、接待のようなことから距離を置いて生活するのが当たり前だった。