Q 日割り計算で話題の「文通費」…これって何?

 国会議員に月額100万円を支給する文書通信交通滞在費(文通費)を日割り計算に改める法改正が、与野党の合意により12月の臨時国会で実現する方向になっています。

 もともとは「10月は1日しか在職していないのに文通費100万円の満額支給はおかしい」という問題提起からはじまった一連の騒動ですが、素朴にこの「文通費」というのがよくわかりません。ペーパーレス化が叫ばれるこの頃ですが、国会議員の人はそんなに手紙や書類を送るのでしょうか。(20代・女性・自営業)


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A 昔は必要な経費だったのですが…

 これは、支給が始まった当時とは情勢が変わったのに、そのまま続いていたからです。

 たとえば「文書通信費」に関しては、ネットがない時代、国会議員たちが選挙区の有権者に「国会だより」を送ろうとすると、印刷代がかかり、郵送するための切手代もかかりました。真面目に報告を出す国会議員にとっては、この金額でも足りない状態だったのです。

 さらに電話代。私が社会人になりたての頃、電話は日本電信電話公社の独占事業。東京から北海道に電話をかける場合、日中は3分間で720円もかかりました。会社員の初任給が6万円台の頃ですよ。真面目に活動する議員にとっては、これも負担でした。

 また「交通滞在費」に関しては、いまでこそ国会議員には立派な議員宿舎が用意されていますが、かつては数も少なく、みんなが入れるような状態ではありませんでした。そんな状況の下で、東京での滞在費を補助しようという性格のものでした。

 というように見て来ると、昔は必要な経費だったのでしょうが、いまは「国会だより」はメールで送れますし、電話代も下がり、議員宿舎も完備されました。それでも昔からの惰性で高額のお金が支給され続けていたということです。国会議員も、これ幸いと受け取っていた。それが問題とされるようになったのです。

(池上 彰)