「94歳になったお祖母さまの誕生日会を伯父が開きました。お祖母さまはじめ、みんなお肉が大好きで、晋三さんも嬉しそうに肉料理を頬張っていた。その日も政治話で、間近に控えた参院選で私が父に代わり地元を回ることや、ウクライナ情勢や日本の安全保障の課題について議論を交わしました。ケーキを囲み、ハッピーバースデーを合唱する場面の写真を、伯父がSNSに投稿して話題になりましたが、いま思うと、あの日が伯父と会った最後となりました」

「安倍家と岸家は誕生日やクリスマスのたびに集まります」

 晋三氏は親族に対してもサービス精神旺盛だったという。

「安倍家と岸家は誕生日やクリスマスのたびに集まります。総理になってからも、伯父は決まって、幹事を買って出て、レストランを決めたり、ケーキを用意したりしてくれました。家族団欒の中心にいるのはいつも伯父でした。まるでバラエティ番組の司会者のように家族に話題を振るんですね。面白いことに、気が付くと晋三さんと父の二人に私が混ざって、政治の話を延々と喋っている。この時間が本当に楽しかった。家の外で伯父は『政治家・安倍晋三』として振舞わなくてはいけない。だから、親族の集まりは唯一、ひと息つける場面だったのかもしれません」

 8月10日発売の「文藝春秋」9月号では、信千世氏のメディア初インタビューを掲載する。政界へ進む相談をした際に安倍氏から掛けられた言葉や、フジテレビの皇室記者だった信千世氏が改元について安倍氏に“取材”した時の様子、さらに岸家・安倍家の血脈を引き継ぐ後継者としての考えを明かしている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2022年9月号)