「お前、親にチクりやがって!」チームメートの前で恫喝

 小野氏が“異変”を耳にしたのはこの春のことだ。

「複数の父兄から『息子さん、相当やられているようだけど、大丈夫?』と連絡があったんです。息子は寮生活で普段顔を合わせる事がなく、本人は何も言っていなかった。ただ父兄たちから話を聞くと、監督からイジメやパワハラを受けている事が判ったんです」

 例えばバッティング練習中のこと。村田監督がスローボールを投じ、打ち損じると「そんな球も打てないなら辞めてしまえ!」と怒声を浴びせられたという。

 ある日突然、村田監督によってA君の私物が寮の部屋から全て放り出されたこともあった。理由を聞くと、「お前は親に頼れるんだから、寮に住まないで通って来い!」と言う。だが小野氏の家は埼玉県である。

 堪りかねた小野氏は4月中旬、村田監督と面談したが「パワハラ行為など無い」の一点張りだった。

「不信感しか残りませんでした。しかもその後、息子をチームメートの前で『お前、親にチクりやがって!』と恫喝。息子は涙を流して謝罪をさせられた」

 小野氏は学校の教頭とも面談したが、事態は改善しなかった。そこでやむなく退部の道を選んだ。

ストレスで円形脱毛症になった生徒も

 A君だけではない。横浜高では、この1年で計3名の特待生が退部している。その一人、B君の父が語る。

「昨秋から村田監督に『何でそんな事ができないんだ』と人格を否定するような圧力を何度もかけられたようです。胃腸炎になり『散歩もフラついてできなくなった』と連絡がありました」

 B君は医師に、強いストレスや心理的な不安感によって起きる「身体化障害」だと診断された。今も投薬治療を受けているという。

「本人は『戻りたい』と言っていたのですが、監督の顔を思い出すたびに吐き気などの体調不良になる。親としては無理だろうと。他にもストレスで円形脱毛症になった生徒もいる」(同前)