日清食品ホールディングスは5月15日、動物由来原料を使わずにうなぎの蒲焼を再現した「プラントベースうなぎ」の開発に成功したと発表しました。



発表されたリリースを見る限り、再現性はかなり高そう。従来のうなぎ風食品のレベルを超えてくるものになるのでは、という期待が高まります。



日清食品ホールディングス

「プラントベースフード」とは、動物由来原料ではなく、植物由来の原料を利用した食品のこと。肉や魚などを再現する代替食品としても注目されています。



リリースによると、今回、「プラントベースうなぎ」を開発する上での大きな課題は、動物由来原料を使用せず、どこまで本物のうなぎの蒲焼に近い食感と見た目を再現できるかにあったといいます。



試行錯誤の結果、生地は「白身層」「中間層」「皮層」の3層に分けることに。おもに粒状大豆たんぱくを使用した「白身層」では、ふわっと感と繊維感のある食感を再現。



「中間層」には植物油脂などを使い、うなぎの身と皮の間にある脂身のとろっと感を、「皮層」では竹炭粉末を使って独特の黒味を、それぞれ再現しました。



これら3層の生地を専用の金型に詰めて蒸し、タレを塗り、炙って焼き目をつけることで、うなぎの蒲焼そっくりの見た目に仕上げています。



発売は?価格は?

日清食品ホールディングス

ニホンウナギは現在絶滅危惧種IB類に指定され、近年稚魚の漁獲量は減ってきており、乱獲や密猟といった問題も指摘されています。完全養殖も技術的に確立されていますが、高コストで実用化には至っていません。



こうした問題があるなかで、日清食品ホールディングスは日本の食文化を守り、持続可能な食料システムの構築を目指すためのプロジェクトとして「プラントベースうなぎ」を開発したとしています。



もちろん、そうした側面だけではなく、魚介アレルギーを持つ方やベジタリアンにとっても、うなぎを手軽に味わえるのは嬉しいところです。



「プラントベースうなぎ」がどう発売されるか、いまのところ時期や価格などは発表されていませんが、味と値段次第では本物よりこっちのほうがいいかも、というチョイスも十分あり得そうです。