オバマ元大統領政権下で国家安全保障会議(NSC)高官を務めていた人物が、ヘイトクライム(憎悪犯罪)や嫌がらせなどの罪で逮捕された。 CNN などが報じている。

Scott Olson / Getty Images

Anwar Hussein / Getty Images

スチュアート・セルドウィッツ容疑者は11月22日、米ニューヨーク州のマンハッタンに出店していたキッチンカーで、従業員に対し、イスラム嫌悪的な暴言を吐いた。

アル・ジャジーラ によると、セルドウィッツ容疑者は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領時代も国務省で高官を務めている。パレスチナ・イスラエル問題を担当していた。 

セルドウィッツ容疑者とキッチンカーの従業員とのやりとりが、SNSに投稿された。

イスラム教を侮辱する発言を繰り返すセルドウィッツ容疑者に、立ち去るよう従業員が告げると「なぜ去らないといけない? 私はアメリカ人だからここに立っている」と反応。「ムハンマドは強姦者だ」などと暴言を続け、従業員が会話を終わらせるために「英語は話さない」と言うと、セルドウィッツ容疑者は笑いながら「だからキッチンカーで食べ物を売っているんだ」と侮辱した。

別の日に撮影されたとみられる動画も拡散している。セルドウィッツ容疑者はイスラエル・ハマス間の軍事衝突に言及し、「あなたは子どもの殺害を支持している」「4000人のパレスチナの子どもたちを殺しても、まだ十分ではない」などと述べている。

動画に対し、SNSでは「信じられない」「イスラム恐怖症(イスラム教やムスリムに対する嫌悪や偏見)以外のなにでもない」「笑いながら言っているのが許せない」など、批判が殺到している。

大手メディアでセルドウィッツ容疑者の逮捕が報じられると、キッチンカーに支援が集まった。

Anadolu / Anadolu via Getty Images

ニューヨーク市の路上に出店する屋台を支援する団体、 Street Vendor Project がキッチンカーの写真を投稿。被害を受けた店の前で、地元の人々がイスラムの規則に沿った食事「ハラルフード」を分け合い、絆を深めている。

キッチンカーに並ぶ客の列も確認できる。

店主のサムさんは Arab News のインタビューに応じ、「お客さんのほとんどがユダヤ系住民だが、文化の壁を超えた絆がコミュニティに生まれている」と語った。

この投稿に対し、温かいコメントが寄せられている。

💬「これこそ、私が記憶しているニューヨーク。私が大好きなニューヨーク」

💬「これが真のニューヨーカー。ヘイトをぶちまけるやつとは違う」

💬「愛は憎しみに勝る」

instagram.com

💬「みんなのことが大好きです。私はアメリカにいないけど、暴力的な事案が増えていてイスラム系住民の安全が心配でした。今回の容疑者が起訴され、接近禁止命令が下ることを望みます。美しいコミュニティの姿を見せてくれてありがとう」

instagram.com