さっきまでご機嫌だった愛猫にいきなり噛みつかれた――。みなさんは、そんな経験ありませんか?
この記事では、猫が突然「攻撃的な行動」をとるときに考えられる理由を3つピックアップし、獣医師の山本宗伸先生に解説していただきました。猫がいきなり攻撃的になるのには、猫なりの理由があるようですよ。

【理由1】なでていたら突然…「愛撫誘発性攻撃行動」

なでられて気持ちよさそうにしていた猫が、突然手に噛みつくなどの行動をとることを、「愛撫誘発性攻撃行動(あいぶゆうはつせいこうげきこうどう)」といいます。

最初はなでられて喜んでいても、猫はある程度満足すると「もういい」などとイライラすることが。すると「なでるのをやめてもらいたい」という気持ちから、反射的に攻撃行動に転じてしまうのです。しっぽを大きく振るなど、なでているときにイライラのサインが見られたら、やめてあげるようにしましょう。

【理由2】ある意味八つ当たり?「転嫁性攻撃行動」


猫は大きな音などの刺激に驚いたときや、窓の外にいる猫に攻撃したいのにできないときなどに、近くにいる人を噛んだり引っかいたりすることがあります。これが「転嫁性攻撃行動(てんかせいこうげきこうどう)」です。行き場のないイラ立ちをそばにいる人に向ける、一種の“八つ当たり”といえるでしょう。

【理由3】肉食動物としての性質「狩猟本能」

肉食動物がもつ、動くものを獲物として認識して襲う本能のことを、「狩猟本能」といいます。猫も肉食動物なので、飼い猫であっても狩猟本能は残っています。遊んでいるときに、おもちゃ(=猫にとっての獲物)に飛びついてしとめるのは、まさにこの狩猟本能によるものです。

猫が突然攻撃的になってしまう理由はさまざまです。状況などから正しく理由を判断し、適切に対応してあげられるとよいですね。

お話を伺った先生/山本宗伸先生(猫専門病院 Tokyo Cat Specialists 院長)
参考/「ねこのきもち」2024年3月号『読者が気になる言葉を集めました。猫知識が深まる にゃん用語集』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。