ロングセラー絵本シリーズ「11ぴきのねこ」の作者、馬場のぼるさん(1927〜2001)の展覧会が2021年7月25日(日)から東京都の練馬区立美術館で開催されます。

青森県三戸町生まれの馬場さんは1949年に漫画家を目指して上京。翌年には少年誌でいち早く連載漫画を手がけ、手塚治虫、福井英一らとともに「児童漫画界の三羽ガラス」と呼ばれるほどの人気を獲得するものの、その後、児童漫画界の主流が立ち回りなど動きの激しい活劇モノに変化し始めると、大人向けの漫画雑誌に連載しながら、徐々に絵本の世界へと活動の場を移行していきます。

そして、1967年に刊行された『11ぴきのねこ』が第15回サンケイ児童出版文化賞を受賞したのを皮切りに、約30年にわたって『11ぴきのねこ』を冠した6つのシリーズ作品を発表。子供向けの絵本でありながら集団心理や団結効果、リーダーシップなどを描いているのが特徴で、ユーモアや温もりあふれる作風と意外なストーリー展開が共感を呼び、初刊の発表から50年を超えた今では親子3世代で親しまれています。

そんな馬場さんは、1952年から亡くなるまでの約50年間、練馬区に居住していた地域ゆかりの作家。自宅には膨大な日記やスケッチブックが残されており、それらの資料には街で見かけた人々や庭の花、新作のアイディアなど、日々の視点や試行錯誤の跡が垣間見られます。

本展では絵本作家や漫画家としての仕事を紹介するとともに、スケッチブックや仕事以外で制作した絵画、立体作品を展示するほか、交友関係も紹介するなど、人としての「馬場のぼる」にフォーカスした構成となっています。

<展覧会構成>
1. 11ぴきのねこ
2. スケッチブック
3. ふるさと三戸
4. 漫画
5. 絵本
6. 交友から
7. 立体・タブロー作品
8. 遺作『ぶどう畑のアオさん』

1章では「11ぴきのねこ」シリーズ6作品の貴重な校正原稿を、2章では約50年分のスケッチブックを7つに分類して紹介。3章は故郷の風景画や小学校時代の絵や作文、旧制中学時代のノートなどを展示するほか、4章は初期から晩年までの代表作で50年の漫画道を辿り、5章では『アリババと40人の盗賊』『くまのまあすけ』など11ぴきのねこ以外の絵本12作品を辿っていきます。
 
6章は「漫画家の絵本の会」を中心とした交友関係や追悼展のために描かれた作品について、7章は自身の楽しみのために制作していた立体・タブロー作品を、最終章では亡くなる4日前まで描いていたという遺作『ぶどう畑のアオさん』も公開されます。

会期中は展覧会や猫に関連するさまざまなイベントも企画。練馬区立美術館では赤ちゃんと家族向けの鑑賞プログラムや、幼児向けの読み聞かせ、小学生向けのワークショップ、美術館の標本を作るプログラムなどが行われるほか、練馬文化センターでは“ねこ”にまつわる作品を歌とピアノで披露するミニコンサートが、石神井公園ふるさと文化館では“ねこ”をテーマにした読み聞かせなどを行う「絵本とあそぶ会」企画も予定されています(いずれも要事前申込&抽選)。

<イベント概要>
名称:没後20年 まるごと馬場のぼる展
期間:2021年7月25日(日)〜9月12日(日)
時間:10:00〜18:00
休館:月曜日(8/9は開館)、8/10(火)
入場:一般 1,000円ほか
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16