猫は行動や仕草で感情を表現することができる動物。喜んでいる時や怒っている時、甘えたい時などはすぐ態度に出るため、私たち人間にとっては猫の気持ちが理解できて嬉しい気持ちになる瞬間です。そして今週、SNSのXで10万件の”いいね”が寄せられるほど話題になっていたのが、不満を募らせた「拗(す)ねる」猫ちゃんの姿でした。

拗ねるとは、不平不満があるため人に素直に従おうとせず、わざと逆らったような態度をとることを指す言葉ですが、可愛らしい服を着たまま背中を向けているこの猫ちゃんは、一体どんなことに不満を抱いているのでしょうか。飼い主さんに聞いてみると、これは動物病院から帰ってきた直後の光景で、名前を呼んでも無視しているところを撮影した写真なのだそう。つまり、動物病院に連れて行かれて大変ご立腹な様子というわけです。

飼い主さんのお家では猫ちゃんをケージに入れる時、祖父母の家にお出かけする嬉しいパターンと、動物病院に連れて行かれる面白くないパターンのどちらかであることが大半。そのため、出かける前にケージに入れられた猫ちゃんは「どっちなの?」と判断しかねる様子だったと言います。しかし、この日の行き先は残念ながら後者。期待したお出かけ先ではなかったことから、動物病院で待っている時も診察中も、やだやだモードになりながら耐え忍んでいたのだそう。

普段は家に帰ってきてリビングでケージから出してあげると、すぐに喉を鳴らして甘えてくるけれど、この日はそっぽを向いて目も合わせてくれなかった猫ちゃん。と言うのも、これまで動物病院には健康診断や予防接種くらいでしか行ったことがなく、痛みを伴う処置を受けたのは今回が初めてのこと。相当ショックだったのかもしれません。

その不満をぶちまけるかのように拗ねた愛猫の姿を目の当たりにした飼い主さんは、「痛い思いをしたので『可哀想…』と思いつつ、私の声が絶対に聞こえているのに無視して、すねている様子がなんだか可愛かったです。」と当時の心境を回想。一方、猫ちゃんの気持ちについては「『なんでこんな痛い思いをさせたニャ……許さん(怒)』といった感じでしょうか。」と、お怒りモードであることを推測してくれました。

それでもこの状態が続いてしまうのは双方にとって良いことではありません。この日は「痛かったよね、偉かったね」と声をかけながら、一晩一緒に猫ちゃんと寝ることにした飼い主さん。そしてその気持が伝わったのか翌日には甘えてきてくれたのだそうで、人間も猫もトラブル後のフォローが大切であることを感じさせられるエピソードでした。

この猫は福ちゃんという2歳の女の子(アメショ×スコティッシュ)。日中はいつも寝て過ごしていることが多いけれど、家族が帰ってくると全員に甘えてまわるという人懐っこい性格の猫ちゃん。構って欲しくて「当たり屋」行為をよくしてくることから、歩いている途中に蹴ってしまわないよう家族みんなで気を付けているのだとか。

今回インタビューに応じてくれた 飼い主さんは普段、出版社で雑誌編集のお仕事をしていて、自身のXアカウントでは福ちゃんの写真だけでなく、担当している雑誌「LEE」や公式サイト「LEEweb」のオススメ記事なども発信しています。

そんな飼い主さんにとって愛猫はかけがえのない家族の一員。「疲れている時は寄り添ってきてくれたり、子どもを叱ってしまった後は間に入って変なポーズをして笑わせてくれたりと、一日中ゴロゴロしているようでいて、コミュニケーションの達人だと思っています(笑)」と、ムードメーカー的な存在でもあることを明かしてくれました。