美木ちがやさんグレイヘア1

妊娠・出産で髪や肌にダメージを受け、30代半ばで白髪がちらつき始めるとやってくるのが、「今までのスタイルが何もかも似合わない!」という衝撃です。

20代ほど若くなく、40代以降ほど落ち着きはない。そんな大人のステップアップ期、どのようにおしゃれを楽しめばいいのでしょうか。

『HAPPY AGEING これからの私に合うおしゃれ』(川邊サチコさんとの共著)などの著書もあるトータルビューティークリエイターの美木ちがやさんに、白髪混じりの髪をすてきに見せる極意を取材。ヘアスタイルの作り方からヘアケア、メイク、アクセサリー、服装まで、年齢を楽しむテクニックをお聞きします。

まずは親やきょうだいの白髪の傾向を把握

── 髪に白髪が混じってきたら、髪型やスタイリングはどのように工夫すればいいのでしょう。

ちがやさん:

30代であれば、どちらも最初は今までと同じで大丈夫。カラーリングも好き好きですが、自分の目の色に合わせるとナチュラルになじみます。

大切なのは、そこで終わらず「この先どんな髪型にできるかな」と考えはじめること。まずは、自分の白髪の出方を知りましょう。白髪は人によって出方が異なります。祖父母や両親、きょうだいなど身近な人の白髪を見て、傾向を把握してください。今後どういうヘアスタイルに移行していけるかのヒントになります。

── 白髪と同様に気になるのが、髪のボリュームやうねりです。

ちがやさん:

薄毛が気になる場合、スタイリングでの工夫が必要です。日本人は顔にそってなでつける髪型にこだわりがちですが、生え際から立ち上げたり、トップを膨らませたりして、ボリュームを出しましょう。普段の生活でも、下にとかしつける手つきが癖になっていないか気をつけてみて。

髪のテクスチャは、ゴワゴワっとさせたり、いつもの毛の流れを変えて楽しんだりする方向にシフト。20代のような“しっとりツヤツヤ”を求めると、髪と肌の質感がアンバランスになり、肌のシワやたるみが余計に目立ってしまいます。

髪がうねる人は、ストレートアイロンで伸ばしてから巻いたり、セットしたりするといいと思います。同時に、頭皮の毛穴ケアを心がけると、徐々に改善していきます。

── 生え際の毛が短くなって、ピンピンはねるのにも悩みがちです。

ちがやさん:

生え際、特に髪の分け目は毛が弱りやすいので、伸びにくくなりやすいんです。分け目を変える、前髪を作るなどしてヘアスタイルを楽しんで。

太いシンプルなカチューシャもおすすめ。おしゃれになるだけでなく、生え際の短い毛や白髪から目をそらせます。ベルベットなど素材感のあるものを選ぶと、髪になじみやすいですよ。帽子もヘアスタイルの変化が出しやすく、また紫外線予防にもなります。

ちがやさん愛用のカチューシャ。プチプラブランドからセレクトされたものも

シャンプーは年齢にあったものにチェンジ

── スキンケアのように、年を重ねたらヘアケアも変えた方がいいのでしょうか。

ちがやさん:

そうですね。特に毎日使うシャンプー・コンディショナーは、使った後に頭皮がかゆくなったり、毛がきしんだりすることのない、自分に合ったものを見つけましょう。

年を取ってくると肌からの分泌物も変化するので、洗う頻度は地肌の状態にあわせて美容師さんなどに相談した方がいいと思います。何より大事なのは、洗う前にもブラッシングをすることと、しっかり洗い流すこと。

── ヘアブラシも年齢とともに変えた方がいいですか?

ちがやさん:

ブラシは、何を使うかよりもどう使うかが重要です。毛の流れに沿って優しくブラッシングしたら、頭頂部にブラシをあててキュッキュッと刺激して。最後に頭を前に下げて、襟足から生え際に向かってブラッシングしましょう。

頭皮のマッサージにもなり、滞りがちな頭皮の血行が改善されます。朝にすれば頭がシャキッとしますし、シャンプー前にすれば頭皮の汚れが浮いて取れやすくなります。

髪のうねりや頭皮のニオイ、脂っぽさが気になる人は、頭皮のクレンジング用オイルや美容液を取り入れても。シャンプーだけでは取れない汚れや脂をリセットしたり、乾燥した頭皮を保湿したりすると、症状が改善されていきます。

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髪の状態に合わせクレンジングは週一程度行う

── シャンプー後、ドライヤーの使い方にコツがあれば教えてください。

ちがやさん:

頭皮を生乾きにしておくと毛根を痛め、匂いの原因にもなるので、完全に乾かすよう意識しましょう。乾かし終わったら、冷風で髪の毛を冷やすと、温まって開いていたキューティクルが閉まります。

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「しっかり乾かすこと」を意識しているちがやさんは、愛用のドライヤーを旅先にも持参する

“肌を作るメイク”が髪の年齢をすてきに見せる

── 白髪混じりになると、今までのメイクやアクセサリー、服装が似合わなくなってきます。年齢をすてきに見せるメイクのコツはありますか?

ちがやさん:

メイクは、色をのせることよりも、肌を作る方に力を入れていくといいですよ。つやを仕込んだり、トーンを整えたりと、ファンデーションをのせる前のベースに凝って。ファンデーションは、髪の衰えで目が行くようになる生え際にきれいに入るように気をつけて。眉毛は気持ち太めにすると、生き生きした印象になります。

目におもむきを持たせるメイクからは少しずつ卒業して、全体で魅せるメイクに移行していきましょう。目には小じわやたるみが出やすいため、アイシャドウやアイラインは引き算。代わりにチークやリップ、マスカラでカラーを楽しんで。リップグロスできらめきを足すのもいいですね。

── アクセサリーや、洋服も似合うものが変わってきます…。

ちがやさん:

アクセサリーは、意識して盛るのが大事。大ぶりなものを選んだり、シンプルなものを重ねづけしたりすると、顔周りが華やぎます。

服装に関してだけは、年齢は関係ないと思います。特に今はマスクをしていて年齢が見えづらいので、いろいろな服装にチャレンジするチャンス。まずは一回着てみて、もし似合わなくても、ダメだと決めつけずに「まだ似合う時期が来てないな」と見送る。年を重ねて、似合う時期が来るのを楽しみに待ちましょう。

子どもが小さいと、汚れにくくて、体型をカバーする服を選びがちかもしれません。きれいな色のスカーフやハンカチをバッグにつけたり、首に巻いたりするなど、ポイントで色を入れると印象が変わり、自分も元気が出てくると思いますよ。

PROFILE 

美木ちがや(みき・ちがや)さん

美木ちがやさんプロフ3

1963年、東京生まれ。ヘアメイクアップアーティスト、カメラマンとして雑誌等でマルチに活躍。東京都・渋谷で完全予約制サロン「KAWABE LAB」を運営し、母・川邊サチコさんとともにヘアメイク、ファッションのトータルアドバイスも行う。著書に『HAPPY AGEING これからの私に合うおしゃれ』(サチコさんとの共著)など。

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取材・文/有馬ゆえ 写真/増永彩子 イラスト/ヤマダメグミ