厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2019/令和元年度)によれば、子供のいる世帯のうち、約半数(46.8%)が1人っ子、約40%が2人きょうだいで、3人以上は12.9%にとどまっています。

しかし、その前の2017年〜2018年と2年連続で3人以上お子さんのいる世帯が増えていて、世の中には「3人目がほしい」と考える夫婦が意外と多いことがうかがえます。

しかし、さまざまな理由で3人目の出産を迷ったり、あきらめたりする人が多いのもまた事実ではないでしょうか。

そこで今回は、3人目の出産を検討しているママたちにアンケートを実施し、何がもっとも3人目出産への壁となっているのかを聞かせてもらいました。

また、実際に3人以上のお子さんを育てている人から聞いた意外なメリットも紹介します。

3人目が不安な理由①夫婦の年齢

今回、インターネットを通じて「3人目の出産を迷っている(迷ったことがある)」というママ20人にアンケートをとったところ、現在迷っている人の年齢および迷っていた時期の年齢は、すべて33歳から38歳の5年間に集中する結果となりました。

理由としては次のようなことが挙げられます。

「私が36歳、夫が39歳なのですが、今から妊娠・出産した場合、3人目の子が大学を卒業する年には2人とも60歳で定年を迎えています。貯金もしていますが、やはり収入が年金だけになってから学費を払うのは不安なので、今年がリミットかなと」(Hさん・36歳・小1と4歳児のママ)

「いま2人目の育休中ですが、復帰してまた育休を繰り返すのはロスが大きく、最終的にキャリアを再開できるのがさらに遅くなりますし、3人目を産むならこのまま育休延長して、あとはもう休まない方に持っていきたいんです。でも3人ちゃんと育てられるという確証がなく、刻々と申請の期限が迫る中、まだ迷っています」(Tさん・33歳・4歳児と1歳児のママ)

年齢が理由で迷う人は、将来を見越して「○歳までに決断する」「今年中に授かれば」など、自分自身や夫婦でなんらかの期限を設けていた人がほとんどでした。

3人目が不安な理由②経済面

個人差もありますが、子供2人と3人で食費や光熱費などは大きく変わらないという声もよく聞きます。

2人と3人で大きく変わってくるのはやはり「教育費」だといえるでしょう。

「中学受験するとなると小学校4年生頃から塾代で年間数十万から100万円。もちろん私立中学の学費もかかるので、2人ならなんとか払えても、3人は大学までもちません。迷ったけれど、子どもたちが望んだ教育をしっかり受けられるように2人と決めました」(Eさん・42歳・6歳児と4歳児のママ)

「ここは地方なので自宅から通える範囲に大学がなく下宿が前提になります。私大の学費、生活費の仕送りまで考えると、もし3人目が双子だったら家計が破綻してしまうと考えました。もちろん奨学金もありますが、自分たちは親に出してもらっていたし、もし奨学金の返済が滞ると将来ローンが組めないなどのリスクもあり、このまま借りずに2人とも進学させたいです」(Yさん・39歳・中1と小5のママ)

また、

「4人家族のつもりでマンションを借り、車も買いましたが、3人目が生まれてまさかの引っ越しと買い替え…200万円は費やしましたが、ドライブの帰りに後部座席で3人並んだ寝顔は何にも代えがたく、後悔はしていません」(Mさん・37歳・小1と3歳児と0歳児のママ)

という声もありました。

3人目が不安な理由③仕事と育児の両立

3人を育てながら仕事を続けることに不安を感じている人も。

「2人の今でも、園の行事や役員に加え地域の役員などで仕事の休み回数が半端ないです。3人目になったらさらに行事も回数が増えるうえ、なによりも病気のお迎えがどれだけあるかと思うと心配でけっきょく踏み切れませんでした」(Tさん・37歳・5歳児と1歳児のママ)

「夫が忙しくて帰りが遅く、2人のお風呂や着替えなどほぼ私がワンオペで回しています。3人目はほしかったですが、つわりで動けなくなったときや出産前後など、実家が頼れないわが家では無理だと判断しました」(Hさん・34歳・3歳児と1歳児のママ)

3人以上のママから「こんなメリットもあるよ!」

3人以上のお子さんがいるママに、「予想通り、または予想外によかったこと」があるかどうかも聞いてみました。

「上の子2人が赤ちゃんをかわいがってくれることや、お風呂上がりに身体を拭いてくれるなど、ちょっとしたお世話を頼めるのが助かってます!」(Sさん・39歳・小2と4歳児と0歳児のママ)

「経済的にはギリギリでしたが、2人目の子がとても弟妹をほしがっていたので決心しました。妊娠が分かったときは大喜びだったし、今も3人とても仲良く、私も久しぶりの赤ちゃんがかわいくてたまりません」(Jさん・小4と小1と2歳児のママ)

「上の子のグッズもあげたり捨てたりしてしまったし、今さら…と悩んでいたとき、同じ園の3人姉妹のママが、3人目だと、どっちみちボロボロだから買い直すことも多いよと教えてくれたんです。それで背中を押されたわけじゃないですが決心がついて。産んでみたら、1人っ子のママからお下がりをもらえたりして、意外とお金もかかりませんでした」(Mさん・40歳・小5と小2と5歳児のママ)

「第3子は児童手当が1.5倍になったり、保育料が減免されたり、自治体独自のクーポンがもらえたりと、経済的な負担軽減があるので助かってます」(Fさん・35歳・5歳児と3歳児と0歳児のママ)

おわりに

3人目を産むか産まないかは、今回紹介したようなさまざまな事情で判断が難しいことも多いですし、3人目が欲しくてもけっきょく授からないこともあります。

しかし、最終的にどんな決断をしたとしても、夫婦でしっかりと話し合い覚悟した上での決断であれば、2人でも3人でも、子どもたちはきっと幸せに育っていってくれるのではないでしょうか。

そして、3人目はほしいけど「職場に迷惑だから」「教育費がかかるから」「夫が早く帰れないし育休も取れないから」…そんな理由であきらめなくてもよい職場や社会を目指していきたいですね。

文/高谷みえこ アンケート実施時期/2021年4月 人数/50名 手段/インターネット
参考/厚生労働省「国民生活基礎調査 結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21kekka.html
児童手当Q&A: 子ども・子育て本部 - 内閣府 https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/ippan.html