ノッチと友美さん06

日本テレビ系で放送中の朝の情報番組「スッキリ」。番組内の企画「お受験密着シリーズ」の第三弾(2020年11月から2021年4月)に登場したのがお笑い芸人・ノッチさんの長女・叶望(かなみ)ちゃんでした。

わが子の受験を終えたノッチ夫婦に、当時の思いや今の生活について伺います。

人材開発の仕事が大好きだった友美さんは「今は家族のプロデュースが楽しい!」と話します。

叶望ちゃんを合格に導いた家族の明るさ・強さはどう作られたのか。友美さんの家族プロデュースの秘訣について伺います。

友人関係に悩む娘には「塾友を作れ」

—— 受験は子どものメンタルケアも大変ですよね。友美さんはどのように声がけしましたか。

友美さん:

真面目な子なので、受験をやめたいと言ったことは一度もなかったんです。

ただ、受験しない友達との関係には悩んだみたいです。

遊びに誘われても「ごめん、今日塾なんだ」と断らなくてはいけない。そうしたことが続くうちに、だんだん辛くなってしまったんですね。

だから「塾に友達を作っては」と声をかけました。「そうすれば気持ちを共有できるでしょ?」と。

塾に友達ができたことで、愚痴の言い合いや励まし合いができるようになって。それから表情が明るくなりましたね。

とはいえまだ子どもなので、受験生同士公園で鬼ごっこして息抜きすることも。そんな様子は、「子どもらしくてかわいいなぁ」と思って見守っていました。

—— そういった体を動かすような息抜きは、ノッチさんがメインで担当されていた印象です。

ノッチさん:

僕はガス抜き担当でしたね。気晴らしに一緒にマラソンしたり、勉強に集中できるよう妹の友香ちゃんと公園で遊んだり。ギャグを言って家族をなごませたり…。家庭の雰囲気が悪くならないように気を配っていましたね。

友美さん:

そのあたりは本当にありがたかった。逆に勉強に関しては口出ししないようお願いしていました。

私はスケジュールを作り、叶望ちゃんと一緒に勉強。

勉強に身が入らないときには、叱るのではなく”本人に気づかせること”を意識していました。「後悔したくないでしょ?あの日やっておけば良かったという”あの日”を後で思い出したらつらいよ」といった具合に。結局受験するのは本人ですからね。

「辞めちまえ!」父親の無責任な口出しに…

—— 受験においては、勉強を見ていない方の親がずれた発言をしがちですが、ノッチさんはそんなことはありませんでしたか?

ノッチさん:

実は、点数だけを見て「なんだこれ!辞めちまえ!」って怒ってしまったことがあります。叶望ちゃんが寝た後に反省会です…。

友美さん:

点数だけ見て怒るなんて、一番やっちゃいけないことですよね。頑張っているのにできないのは彼女もわかっているわけですから。勉強担当として、できない原因を探ろうと試行錯誤しました。

—— できない原因を探った結果、集団塾を途中でやめられたんですよね。

友美さん:

はい、1年ちょっと通ったのですが、身になっているのか、なっていないのか手応えがなくて。叶望ちゃんの様子を見ているうちに、勉強の内容を理解できていないまま、毎日の宿題に追われていることが原因だと思うようになりました。

—— 塾をやめることに迷いはありませんでしたか?

友美さん:

まったく(笑)。

「何をしたら成績が上がりますか?」「どうしたら記述問題ができるようになりますか?」と塾に聞いても「もっと本を読め」とか「問題集を初めからやり直せ」といった誰にでも当てはまる回答しかなくて。

子どもに合った指導をしてもらえないから、いくらたってもできるようにならない。これでは塾に入れている意味がないと思ってその場でやめてきました。

—— 塾の指導法がわが子に合わないことを見抜くとは、叶望ちゃんの勉強の様子をしっかり見てこられたからこそですね。もしかして塾講師などされていましたか?

友美さん:

してないです(笑)。

でも、人の強みを見つけて伸ばすことはもともと好きなんです。独身時代には人材開発の仕事をしていました。一人ひとりの個性に合わせたトレーニングを組んで、成長した姿を見るのが喜びでしたね。あの仕事はやりがいもあって楽しかったなー!

—— プロデューサーそのものですね。

友美さん:

そして、その仕事を辞めたらノッチさんに目がいっちゃった。自分の強みと弱みをわかってない!とか言って(笑)。

ノッチさん:

この歳になると、いろいろ指摘してくれる人が誰もいなくなるからありがたい。うちは、家族でありチームであり軍隊。彼女は、その総監督ですね。

ノッチと友美さん08

家族はそれぞれの強みを生かせばいい

—— 総監督として、家庭でのポリシーはありますか?

友美さん:

嘘とか隠し事とかは本当に嫌いです。だから、お金のこととかも何もかもオープン!

ノッチさん:

ボートレースで負けたのもちゃんと言いました(笑)。白状させられたとかじゃなく自然に。ダメなところも良いところも見せ合っています。

友美さん:

うん。それにうちは、家族応援団だから。誰かが何かをやるって言ったら家族全員で応援します。受験もそうでしたね。

叶望ちゃんのために、ノッチさんも友香ちゃんも私もみんなで朝から夜まで応援する。応援の仕方は、それぞれ得意なやり方でいい。それは私がプロデュースします!大事なのは「私たちはチームだ」っていう気持ちなんじゃないかな。

—— 最強の応援団ですね。叶望ちゃんの受験がつらく苦しいものではなく人々に明るく前向きに伝わったのは、何でも打ち明けられるノッチファミリーだからこそ。

ノッチさん:

そう言ってもらえると嬉しいです。家族みんなで勝ち取った合格です!

PROFILE

ノッチと友美さんプロフ03

ノッチ (本名:佐藤望 さとう・のぞむ)

1965年、愛媛県生まれ。1988年に安田和博とお笑いコンビ“デンジャラス”を結成。「タモリのボキャブラ天国」などに出演。オバマ米大統領のモノマネでブレークする。趣味は、釣りや乗馬など多岐に渡り、日本一過酷と言われる佐渡国際トライアスロンAタイプ完走の記録も保持している。

佐藤友美(さとう・ともみ)

2006年、ノッチさんと結婚。2008年に長女・叶望ちゃん、2013年に次女・友美ちゃんを出産し2児の母に。独身時代には、アパレル業界で人材開発の仕事に従事。当時の経験を生かし、現在は家族の総監督として夫や子どもたちをプロデユース。時に”鬼嫁”として夫と共にメディアにも出演している。

取材・文/名塚千佳子 撮影/河内 彩