小湊鉄道(市原市)は、運休中のトロッコ列車に代わって土日休日を中心に運行しているキハ40形の観光急行列車に、かつて北海道の宗谷本線を走行した急行「天北」「利尻」「サロベツ」「宗谷」のヘッドマークを期間限定で順番に掲げる。JR北海道の協力を得て、当時の丸形マークを再現。車両の前後に取り付けて走る。期間は5月11日〜9月29日。

 宗谷本線の急行列車に使われたキハ400形車両は、キハ40形車両を改造して1988年に登場。両車両は前面の形状が同じことから、同じヘッドマークを掲げれば、その雰囲気がよみがえる。JR北海道監修の下、小湊鉄道が同じ大きさとデザインでヘッドマークを再現する連携が実現した。

 5月11日〜6月末は、急行「天北」のヘッドマークを掲げる。天北は、宗谷本線から天北線経由で札幌と稚内を結んだ急行列車。

 北海道音威子府村の音威子府駅から稚内市の南稚内駅を結んだ天北線は89年5月に廃止され、キハ400形などの気動車に丸形ヘッドマークを掲げたのも路線廃止までの半年間だったため、目にする機会が短かった貴重なものだという。

 小湊鉄道の担当者は「(同鉄道の)里見駅での(昔ながらの衝突防止作業の)タブレットキャリアの受け渡しなども往年の天北線と同じ。思いをはせながら、近くで見て楽しんでほしい」と乗車を期待した。

 「天北」以外のヘッドマークを掲げる期間は、7月が「利尻」、8月が「サロベツ」、9月は「宗谷」の予定。4種のヘッドマークスタンプを全て集めると、クリアホルダーがもらえるスタンプラリーも行う。スタンプは当日のヘッドマークをかたどって急行車内に設置。台紙は車内で希望者に1人1部を配る。

 銚子電鉄沿線などで写真を撮る「撮り鉄」による植物の伐採といった問題が相次いだことから、小湊鉄道の担当者は「少しでもトラブルが起きれば、イベントは即中止するので、マナーを守ってほしい」と呼びかけている。